【旅館ホテルのおもてなし 86】火災① 大谷 晃


 旅館ホテルにとって十分注意しなければならないのが火災です。火事に直面するとパニックになりがちですが、スタッフはお客さまを安全な場所に避難させる責任を負っています。冷静に行動しましょう。また起こった場合を想定して、誘導方法、避難場所など、日ごろからシミュレーションしておくことも重要です。

 ●自動火災報知機や非常ベルが鳴ったら

 火災の発生場所を確認します。受信機で出火階、出火区域を特定します。

 お客さまが火災を発見された時の行動については、客室に置かれた「当館のご利用案内」に明記しておきます。例えば、「室内の電話でフロントに通報するか、従業員にお知らせください」「大声で『火事だ! 火事だ!』と連呼し、他のお客さまにお知らせください」というようにです。

 ●火事だ!を連呼

 出火場所にお客さまがいらっしゃらないかどうか確認したらただちに非常ベルを鳴らします。そして「火事だ! 火事だ!」と大声で連呼しながら、携帯電話などでフロントと責任者に通報します。お客さまには避難方向、使用する階段などを具体的に指示します。

 ●消火

 ■炎が天井にまであがっていない場合

 消火器で初期消火をします。

 ■炎がすでに天井まで回っている場合

 消火不能と判断して、すみやかに退去します。この際、延焼を防ぎ、煙の拡散を防止するために出火室のドアを必ず閉めます。お客さまを避難・誘導します。

*    *

 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
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