
達人釜の新モデル「FCS―KM77」
常温保存・物流が可能に
パナソニック製業務用設備機器のトータルサービスを提供するパナソニック産機システムズ(東京都墨田区)は、22年10月にモデルチェンジを施した小型高温高圧調理機「達人釜」の新モデル「FCS―KM77」の提案を強化している。
食品加工業者を皮切りに、昨今のテイクアウトや、EC販売の需要の高まりに伴い、飲食店や一部旅館での活用が広がっている。従来の加熱調理機器では困難とされる101度以上の温度帯での真空調理を小型でありながら実現したレトルト釜。パウチで密閉した食材や調理品を高温高圧で処理し、常温保存、常温物流が可能なレトルト食品を製造できるもの。
「宿泊市場では、地場の旬の食材を使ったオリジナル料理を土産品として販売すると同時に、閑散期に食材の下処理や惣菜類の加工を行い、利便性の高い1次加工品として保管しておくことで、繁忙期の現場の生産性の向上にも役立てられれば」と同社。
新モデルの最大の特徴は、レトルト食品の殺菌レベルを指定する「F値制御モード」を搭載したことが挙げられる。これにより、加熱条件の算定が簡易になり、メニュー開発プロセスの簡略化を実現するという。
また、制御部分の見直しを行い、操作部をボタン式からタッチパネル式に変更し、詳細な情報を確認しながら簡単な操作で使用できる。各種のボイラーや圧力容器の資格は不要で、誰でも扱える。
使い方も前モデルと同じくシンプルで、電源を入れ、ふたを開け、バスケットにパウチをセットして温度・時間などの条件を設定し、スタートボタンを押すだけ。1回の調理時間は60分から90分で、最大60~70袋分が製造可能という。
さらに、運転時のデータの記録・保管のために必要なプリンターを本体に内蔵し、利用者から要望が高かったデジタルデータの取り出しを可能にするUSBポートも内蔵し、より利便性に優れた仕様にした。
本体サイズは幅600×奥行き560×高さ1009ミリと、家庭用洗濯機並みのコンパクトサイズ。小ロットでの製造が可能で、給排水と電源があれば手軽に設置が可能。
この件についての問い合わせ先はパナソニック産機システムズ・事業企画部販促課TEL03(6364)3729。
達人釜の新モデル「FCS―KM77」