
旅行や帰省、出張で空港へ行く際、皆さんはどのような交通手段を利用されるでしょうか。マイカー、電車の方もいらっしゃるかと思いますが、空港リムジンバスもとても便利です。
空港と主要ターミナル駅やホテルなどを結ぶバスをリムジンバスと言います。座っていれば空港まで連れて行ってくれますし、スーツケースなど大きな荷物も乗車時にトランクに積んでしまえば、空港到着まで積み下ろしの必要がないのも利点です。リムジンバスは専業のバス事業者以外に、大手路線バス事業者も運行しています。バス運転手の世界では「いつかリムジンに乗りたい!」と言われる人気の職種です。
バス運転手を目指す方にとって、リムジンバスは難易度が高い方に分類されます。まず路線バスの会社に就職してリムジンを目指す場合、一般路線バスで何年か経験を積み、成績上位と認められた方のみがリムジン乗務に移行するケースが多いです。一方、リムジン専業者の採用試験は難関で何度かチャレンジの上、採用される方もいらっしゃいます。
よく「外国語が話せないと受験は無理ですか?」と聞かれますが、そんなことはありません。ただ近頃では、採用されてから「やはり外国のお客さまと直接コミュニケーションを取りたいので」と、自己啓発で英会話を学ぶ意識の高い運転手さんは増えていると感じています。
2019年2月、リムジンバスを運行する各社は「Airport Bus Alliance」(ABA)を設立しました。20年1月に10社が加わり、現在41社が参加しており、リムジンバスを利用する顧客向けに時刻表、乗り場MAP、所要時間、運賃などのお役立ち情報を取りまとめて発信しています。ご利用される方はぜひ一度HPをご覧ください。
訪日外国人観光客4千万人を目標とする20年、海外から日本に降り立ち、空港を出て、最初に利用する日本の公共交通機関はリムジンバスという方も多いでしょう。リムジンバスに乗る際、空港で観光客をサポートするポーターさんはもちろんですが、リムジンバスの運転手さんの安全走行ならびにコミュニケーション力も「観光立国日本」を支える重要な役割を担っているといえます。
令和2年、リムジンバスの活躍の機会はますます増えていくものと思われます。
(リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)