
道南除く5圏域で増加 外国人も21.3%増、最高に
北海道経済部観光局はこのほど、平成29年度(29年4月~30年3月)の観光入り込み客数を公表した。実人数は5610万人で、前年度比2.6%増と過去最高。全道179市町村から報告のあった観光入り込み客数(実人数)を合計した総数(延べ人数)は1億4576万人で、同3.4%増加した。
観光客の増加について道では「国や道、市町村、観光振興機構などの関係者が効果的なプロモーションなどに取り組んだのをはじめ、アジア圏との国際線が新たに就航されたことなどから、平成28年度の台風や大雪等により減少した旅行需要も回復した」としている。
実人数の内訳は、道内客が同1.8%増の4725万人、道外客が同2.0%増の606万人、外国人が同21.3%増の279万人。
また日帰り客は同2.0%増の3727万人、宿泊客は同4.0%増の1883万人。
四半期別では第3四半期(29年10~12月)が同3.8%増加したのをはじめ、全て増加した。
6圏域別の観光入り込み客数(延べ人数)は、釧路・根室が同9.6%増、十勝が同9.0%増、オホーツクが同8.5%増と大きく伸び、道南を除く5圏域で増加した。宿泊客延べ数も同様に5圏域で増加。道南は新函館北斗駅前のホテルオープンや、奥尻島フェリー航路への新造船就航などの話題があったものの、北海道新幹線の開業効果が落ち着いたことや、冬季の記録的な大雪が影響したと見られる。
ほかの圏域では、「空知や後志管内などのワイン、札幌市や室蘭市の夜景など、地域の魅力を発信」(道央)、「ラベンダーをはじめとする花観光や、青い池、雲海テラスなどの観光スポットが根強い人気」(道北)、「8月に神の子池が阿寒摩周国立公園の区域に含まれ、認知度が向上」(オホーツク)、「移転リニューアルした道の駅ピア21しほろなどの観光施設への来場者数が好調」(十勝)、「道東自動車道阿寒インターチェンジの開通効果が続く」(釧路・根室)などの話題があった。
訪日外国人来道者数は実人数で同21.3%増の279万人と過去最高。
国・圏域別では中国が66万6千人、構成比23.9%と最も多く、以下、韓国、台湾が続く。前年度からの伸び率は、中国が21.8%増、韓国が50.7%増、台湾が16.1%増。タイは5.5%、マレーシアは1.4%それぞれ減少した。
中国は「査証(ビザ)発給要件の緩和に伴う個人旅行者の増加」、韓国は「直行定期便の新規就航や増便が相次ぐ」、台湾は「函館、旭川への定期便が通年で運航され、9月にはピーチ・アビエーションの台北―新千歳の定期便も新規就航」などの話題があった。
訪日外国人の圏域別宿泊延べ数は道央が551万人泊で、全道に占める割合は72.7%。2位の道北(12.6%)を大きく引き離している。前年度比は18.9%増加。ほかの圏域も全て前年度から10%以上増加している。
観光消費額単価は四半期別、客層別、日帰り・宿泊別で多くが前年度から増加している。