【シニアマイスター経営の知恵 76】卒業生を前にして 大手前大学現代社会学部教授 四方啓暉


 新年を迎え、今年もゼミ生として担当していた男女合わせて12名の4年生が卒業していきます。

 ゼミから始まり、ともに学び始めてから2年。初めて会った時には、卒業できるのか、卒業論文を書けるのか、就職活動ができるのか、さまざまな心配があった学生たちも、おかげさまであとわずかで卒業します。そのうち男子3名、女子1名がホテル、そして他にエアライン・旅行会社各1名、残りは一般企業へと、ほぼ全員例年通り就職先も決まり安心をいたしました。

 しかし改めて、特にホテル関係に飛び込んでいく学生たちの将来を自分自身のホテルマンとしての経験を踏まえ想像すると、さまざまなことを考えざるを得ません。特に将来、外資系ホテルでの活躍を目指す若者たちが経験するであろうマネジメントの違い、新たに身に付けなくてはいけない知識・能力等、多岐にわたり戸惑いを感じることと思います。

 これまで学生たちが学校で学んだことなどは基本の基本、最初の最初…。

 私自身も国内の都市型ホテルから始まり、米国外資系ホテルのフランチャイズ、そしてダイレクトマネジメント等のホテルでさまざまな部署を担当してきましたが、経験したさまざまな違い、特に組織の違い、担当業務の違い、採用方法をはじめ人事関係業務の違い、さらには給与体系の違い等…、まずは正しく理解するのに時間がかかり、時には解説者が必要となりました。

 それぞれに理由があるわけですが、海外のホテルで仕事をする時、日本のやり方と違うため戸惑い、考えなくてはいけないことも多々あると思います。ぜひ仲間たちとともにまずは理解を深め、いつか将来新たなマネジメントのスタイルを創造し、海外での日本人ホテルマンの活躍が普通のことのように行われることを期待します。

 以上述べさせていただいたこのテーマは何十年も前から語られ、論じられてきたことです。このたびのホテル・マネジメント技能士資格制度の誕生が、これから外資系を含めホテル業界で活躍する私どもの卒業生をはじめ、彼らの大きな後押しとなればと願う次第です。

 ホテルマンを目指し巣立つ多くの若者たちへ、活躍を願って!

(NPO・シニアマイスターネットワーク会員 大手前大学現代社会学部教授、四方啓暉)

 
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