
寛政元年創業、能舞台も
第1000回よその旅館ホテル
――加賀藩ゆかりの宿で、能舞台もあるそうですね。
「江戸時代、寛政元(1789)年の創業で230年の歴史があります。私は9代目の当主です。能舞台は100年ほど前に建築されたものですが、昭和52年に修復し、再び利用できるようになりました。毎年10月には薪能として能公演が行われています」
――客室は。
「木造を中心とした2階建ての館で客室数は20室です。天保元(1830)年に建てられた土蔵を改築し、上下階のメゾネットタイプにした離れの和洋室『天保蔵』、江戸時代に活躍した北前船の船主の別荘を移築した『孔雀の間』などがございます。館内には先々代が集めたコレクションを中心に数々の美術品、骨董(こっとう)品を展示しています」
――温泉、浴場は。
「開湯1200年といわれる深谷温泉はコーヒー色をしたモール泉で、滑らかな湯ざわりが肌に優しいと評判です。男女それぞれの大浴場と露天風呂がございます」
――料理は。
「地元の旬の食材に料理人が腕をふるった会席料理です。定番となっている金沢の伝統料理、治部煮をはじめ、近海で水揚げされた新鮮な魚介、若い方にも好評の能登牛、地元の農家が栽培した加賀野菜などを使った料理が並びます。プライベートな空間となるよう個室に区切ったお食事処で召し上がっていただきます」
――どのようなお客さまが多いのですか。
「北陸新幹線の開業で関東からお越しの方も増えましたが、外国人旅行者も年々増えています。日本の伝統文化などに興味のある欧州、北米などのお客さまが多いですね」
【2人1室利用、1泊2食付き1万6千円(税別)から】
金沢で旅館に宿泊するなら能舞台のある宿 深谷温泉元湯石屋