
シンガポールのアルビン・タン貿易産業大臣
アジア最大級の旅行見本市「ITBアジア」が10月19~21日の3日間、シンガポールのマリーナベイ・サンズ・エクスポ&コンベンションセンターで3年ぶりにリアル開催された。一般客の来場しないBtoBイベントとして実施。世界各国の政府観光機関、ホテル、旅行会社などが出展した。100のカンファレンス・セッションに180人が登壇し、講演、議論した。2万7千件の商談会も行われた。
ITBアジアは、世界最大規模の旅行見本市「ITBベルリン」のアジア版として2008年に開始。コロナ禍で20年と21年はオンラインで開催された。今年、対面イベントとしては3年ぶりの実施となった。
ITBアジアには、80以上の国家観光局(NTO)と地域観光機関(RTO)が参加。日本からは日本政府観光局(JNTO)、静岡県、札幌コンベンションビューローがブース出展した。日本からは他にリクルート(じゃらん)、プリンスホテルズ&リゾーツ、ホテルマネージメントジャパン、イシン・ホテルズ・グループ、渋谷MICE協会などがブース出展。山梨県はトリップドットコム・グループのブース内に共同出展し、観光セミナーなどを行った。
各種講演・セミナーでは、JNTOシンガポール事務所の仲野哲弘上席次長、JATA(日本旅行業協会)の志村格理事長、札幌コンベンションビューローの荻麻理子部長、楽天トラベルの髙野芳行事業長らがスピーカーとして登壇。海外OTAでは、トリップドットコム、エクスペディア、アゴダなどが登壇した。
シンガポールのアルビン・タン貿易産業大臣は19日の開会式で、「パンデミックはこの2~3年間、特に観光業界に多大な影響を与えたが、いま世界各国が再び国境を開き始めた。シンガポールでは10月2日にF1グランプリも開催され、観光客が戻りつつある」とあいさつ。続けて「今回、『ITBアジア』と『トラベルテックアジア』『MICEショーケースアジア』が同時開催される。父が昔、ホテルの客室清掃係だったので、テクノロジーによるハウスキーピングの効率化には私自身も興味がある。シンガポールでは、環境・サスティナビリティに配慮した新しいホテルもオープンしている」と述べ、ITBアジアで、再始動した観光業界の新しいトレンドをつかみ取ってほしいと強調した。
シンガポールのアルビン・タン貿易産業大臣
80以上のNTO、RTOがブースを展開