
JTBは10月25日、新型コロナウイルスの抗原検査出張サービスを開始した。
新型コロナウイルスの感染拡大は日常生活にさまざまな制約を課し、事業者の経済活動にも深刻な影響を与えています。各種感染対策の中でも、とりわけ陽性者を積極的且つ早期に特定し感染拡大防止を図る取り組みは、社内外での人が集まるイベントを安全に開催したいと考える主催者をはじめ、従業員や取引先、お客様の健康と安全を守りたいと考えている企業などにとって重要であり、今後ニーズが広がっていくと予想されます。
このたび、富士フイルムメディカルとJTB、プラタナスは、こうしたニーズに対応するため、3社協業による新型コロナウイルスの抗原検査出張サービスを開始します。本協業において、富士フイルムメディカルは富士フイルム独自の高感度検出技術「銀増幅イムノクロマト法※1」を応用し、少ないウイルス量での検出が可能な新型コロナウイルス抗原検査キットおよび感染症検査装置を提供します。各種イベントの運営や企業の業務受託のエキスパートであるJTBは、顧客事業者に感染症対策として、本サービスを紹介します。プラタナスは、本サービスの利用を希望する事業者と「抗原検査出張サービス契約」を締結し、サービスの提供および検査業務を行います。
本サービスは、東京・神奈川・千葉・埼玉の事業者の希望する場所で利用可能です。抗原検査キットなどの医療資材、検査を行う医療従事者など検査に必要な環境をまとめて提供します。検査場所は屋内のみならず、新型コロナウイルス抗原検査車(以下、抗原検査車)を利用し、屋外に設営することも可能です。抗原検査は、検体採取後、試薬に検体を滴下してから約15分で結果を得ることができ、本サービスにおいては、検査結果が陽性の際にはすみやかに検査結果を事業者に報告します※2。
富士フイルムメディカルとJTB、プラタナスは、感染者数の減少が見られる今だからこそ、感染の再拡大を防ぐために抗原検査の活用が必要だと考えています。本抗原検査出張サービスを広く展開し、経済活動の推進と新型コロナウイルス感染症拡大防止の両立に貢献していきます。
【検査場所を屋外に設置する際に用いられる抗原検査車】
※車外設置の検体採取場所で検体採取後、車内の検査装置を用いて検査を実施する。
【ご依頼から出張検査までの流れ】
【今回提供する抗原検査キットに応用した富士フイルムの「銀増幅技術」】
参考文献: T. Broger, B. Sossen, et al., Lancet Infect. Dis. 2019; 19 852–61.
※1 イムノクロマト法とは、試薬に滴下した検体(鼻腔ぬぐい液など)中に被検物質(ウイルス等)が存在すると、試薬中の標識抗体と結合して抗原抗体複合体が生成され、この複合体があらかじめ検出ライン上に線状に塗布された抗体に捕捉されると、陽性(抗原あり)を示す色付きのラインが表示される検査方式のこと。簡便迅速に結果を得られることから、処置を急ぐ必要がある感染症の検査に多用されている。
※2 検査結果が陰性の際には、全ての検査終了後まとめて事業者に報告します。