JR東と西武、包括連携締結


深澤社長(左)と後藤社長

 JR東日本と西武ホールディングス(HD)は12月23日、「新たなライフスタイルの創造×地方創生」を連携コンセプトに包括的連携を結んだことを発表した。(1)新しい働き方・暮らし方の提案(2)まちづくりに向けた長期的な連携(3)沿線活性化に向けた連携―の三つが軸。それぞれの強みを生かし、ワーケーション、MaaS、DXの活用など新規事業を開発、展開する。

 連携開始に当たり、東京・品川にある西武HDグループのグランドプリンスホテル高輪で記者会見を開催。JR東日本の深澤祐二社長は「JR東日本の強みである長距離輸送が可能な路線網と西武HDの強みである豊富なホテル、レジャー施設とそのノウハウを掛け合わせる」と述べ、場所や時間に捉われないライフスタイルの提供、事業者間のスムーズな連動を行うことを強調した。西武HDの後藤高志社長は「より住みやすく働きやすい社会を実現し、両社、地方にもメリットがある三方良しの事業としたい」と語った。

 新しい働き方・暮らし方の提案では、ワーケーションの浸透、拡大を図り、企業も個人も健康で幸せな「ウィルビーイング」を実現する。両者は新機軸のワーケーションとして、「ボランティアワーケーション」「移住トライアルプラン」のほか、企業向けワーケーションとしての研修プランや、スポーツなどテーマ型ワーケーションプランを設ける。当初は軽井沢、苗場、雫石エリアで展開する予定。付加価値として、ラグジュアリー志向の旅行プラン、エビデンスの提供などを行う予定だ。また、JR東日本のシェアオフィス「STATION WORK」を新たに西武HDが保有するプリンスホテルの各施設でも展開。2023年度に1千カ所の展開を目指す。ブース型の「STATION BOOTH」は西武鉄道沿線でも展開する予定。

 まちづくりに向けた長期的な連携ではMaaSを生かしたモビリティサービスを提供。軽井沢を舞台とした「観光にも生活にも使っていただける地域の足づくり」や、JR東日本が24年度ごろまちびらきを目指す「品川開発プロジェクト」と近隣の各プリンスホテルとの連携など、エリアにふさわしい新たなサービスの提供を検討している。また、拠点の開発の推進として店舗MD構成での連携など、駅やまちの活性化、価値の最大化に取り組む。

 沿線活性化に向けた連携では、SDGsや地方創生などをテーマとしたオープンイノベーション推進を共同で実施。高輪ゲートウェイ駅、石神井公園駅でのマルシェ連携や、JR東日本スタートアップの事業共創プログラムと西武ラボの新規事業創出イノベーション・プログラム「SWING」の連携強化による相互のインフラの活用などを行う。

 このほか、サービス連携として、プリンスホテルの「プリンス スマート イン熱海」内の飲食店舗へTOUCH TO GO社の非対面オーダー決済端末「TTG―MONSTAR」を導入するなど、ICTを活用した非接触、省力化の実現、地方創生として新たなグローバルMICEの誘致などに取り組む。

 新規事業の収益化、将来の事業性について、後藤社長は「収益化はこれから検討する。利益を生み、地域にもメリットがあるようにしたい」と話した。長期的な現業での協力について深澤社長は「鉄道など似たところは連携したい」と述べた。


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