日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月18日、売り上げや利用実績などの数字には表れない地道な活動を行っている個人、団体、作品に光を当てる「第7回JASRAC音楽文化賞」を発表した。受賞者は、音楽学者、音楽プロデューサーの瀧井敬子、音楽プロデューサー、指揮者の西脇義訓、ピアノ修復家の山本宣夫の3氏。
2014年11月に創設されたJASRAC音楽文化賞は、音楽文化の発展に寄与した功績を称え顕彰することで、今後の活動への励みにしてもらうのが目的。全国各地の報道機関などから顕彰候補が寄せられ、有識者で構成する選考委員会によって選考された。
瀧井氏は「明治の文豪と西洋音楽の出会いという研究の意外性が目を引いた。わが国の西洋音楽の受容史をひもとく見事な切り口」と評価された。
西脇氏は「フルオーケストラの公演で奏者の配置を編み替え、奏者同士の言わば化学反応を高めるという斬新なアプローチは、西脇さんの唱える『空間力』の実践であり、音楽界に一石を投じている」との講評。
職人では初の受賞となった山本氏。「世界が称賛する技術を持つに至るまで、相当の苦労を重ねられている。古楽への関心は高まっており、『フォルテピアノ』を復元、修復できる技術は、今後も重要な役割を担う」と称えた。
瀧井氏(右)
西脇氏
山本氏