日本観光振興協会は6月27日までに、日本版DMO候補法人の「現状と課題」に関する調査結果をまとめた。それによると、DMOに取り組む上で「財源」の確保が重要と捉え、特産品や地域限定のグッズ販売など、収益事業に力を入れていることが明らかになった。
調査は今年3月、候補法人123団体に対し、郵送およびメールで実施。97団体から回答があった。内訳は広域連携DMOが2団体、地域連携DMO44団体、地域DMO51団体。
「どの分野の人材が不足しているか」を尋ねたところ、最も多かったのは「データ収集の専門家」で、59%と過半数を超えた。広域連携DMOでは100%に上った。人材育成や財務・経営分析を行う人材も4割を超える団体で不足しているという。
「どんな人材育成に取り組んでいるか」では、約4割の団体が研修・セミナー、講習会の開催や参加支援を行っている。一方、教材の開発や提供、実地研修支援、人材あっせん・紹介などの割合は低く、「まだ取り組みが進んでいないようだ」と日観振。
DMOに取り組む上で、大変なこと、重要課題と思うものを挙げてもらったところ、「安定的な組織運営のための財源確保」が最も多く、次いで「事業運営費の確保」で、財源問題がネックになっていることが浮き彫りになった。また、「専従人員や外部組織による人的協力体制(出向など)の確保」や「組織間の事業整理・役割分担」「事業実施に対する事業者や地域内の協力」を挙げる声も少なくなかった。
「財源確保に向けどんなことを検討しているか」では、収益事業が75%と最も多く、会費(43%)、補助金(42%)を上回った。収益事業については、特産品・地域限定グッズの販売のほか、着地型旅行商品の販売、コンサルティング、広告収入などがある。