鬼怒川温泉、川治温泉の旅館・観光事業者5人の出資で「株式会社DMC鬼怒川温泉」(栃木県日光市)が今月2日に設立された。「健康」をテーマに地域の観光資源を活用した旅行商品などを開発し、鬼怒川エリアへの誘客拡大を目指す。第3種旅行業への登録を計画し、10月にも商品の提供を開始したい考えだ。
社名に「DMC」を入れた通り、観光地域経営会社として、観光地域づくりの中核を担う事業展開を目指す。社長には、川治温泉などを拠点に自然体験ツアーを企画、実施しているネイチャープラネット代表の坂内剛至氏が就任した。資本金は200万円。
会社の理念には、「『健康』で人と地域の未来を創る」を掲げた。カヌーやトレッキングといった自然体験、温泉入浴、テーマパーク体験などを活用し、心身の健康増進につながる商品を開発する。運動などだけに特化せず、遊びや観光の要素も取り入れる。経済産業省の主導でスタートした第三者認証サービス「ヘルスツーリズム認証」の取得も目指す。
坂内社長は「ヘルスツーリズムのトップランナーを将来の目標に掲げている。提供するプログラムの健康へのエビデンスを大事にして商品の付加価値を高めたい」と意気込みを語る。会社の顧問に迎えた医学の専門家に監修を依頼し、プログラムへの参加に伴う運動量やストレスの変化などを数値化していく考えだ。
出資者の一人で役員にも就いた鬼怒川グランドホテル夢の季の波木恵美社長は「DMCとして地域内外の事業者に利用してもらえる会社、そして旅行者に喜んでもらえる会社にしたい。補助金なども活用できるものは活用していくが、依存はせず、自走できる会社を目指していく」と話している。
鬼怒川エリアの自然体験などを生かす(写真提供・ネイチャープラネット)