黒字と赤字で178万円の開き「生産性」が明暗分ける 日本旅館協会会員調査 


 日本旅館協会(大西雅之会長)がこのほど公表した会員施設の営業状況等統計調査(2022年度財務諸表等から)の要旨を先週号に続き紹介する。労働生産性を表した数値について、黒字の施設と赤字の施設でおよそ178万円の開きがある。生産性の向上が事業を継続、発展させる上で必要と改めて示された格好だ。

■定員稼働率・客室稼働率

 定員稼働率は全体で36.1%で、前年度(2021年度)比14.8ポイント増加、コロナ禍前の19年度からは0.3ポイント減少した。

 施設の規模別では、大規模(客室数100室以上)が前年度比11.0ポイント増、19年度比5.0ポイント減の32.4%。中規模(31室以上99室以下)が前年度比23.6ポイント増、19年度比1.7ポイント増の37.4%。小規模(30室以下)が前年度比14.7ポイント増、19年度比9.4ポイント増の37.9%。全ての規模で前年度比改善したが、大規模がコロナ禍前に及んでいない。「団体のお客さまの戻りが遅いことによるものと思われる」(同協会)。

 旅行の個人化が進んだことで定員稼働率より重要な指標といわれる客室稼働率は、全体で前年度比21.6ポイント増加、19年度比3.9ポイント減少の57.9%。
 規模別では、大規模が53.0%、中規模が60.9%、小規模が65.2%と、定員稼働率同様、規模が小さいほど高い率となっている。19年度比では小規模のみが増加、大規模と中規模が減少となった。


■売り上げ効率

 客室1室当たりの年間売上高は全体で994万9千円。前年度比62.4%増加、19年度比4.2%減少した。

 規模別では、大規模が908万7千円、中規模が1035万8千円、小規模が1234万4千円。前年度比はそれぞれ85.9%増、43.6%増、69.0%増と大きく改善したが、19年度比は9.3%減、4.2%減、20.2%増と、小規模のみ増加。「大規模、中規模はコロナ禍以前と比べると回復途上」(同)。

 ADR(1日1室当たり客室平均単価)は全体で5万1568円。前年度比1万3301円、19年度比1万7380円それぞれ増加した。

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