出羽三山信仰の礎を築いた蜂子皇子を祀る羽黒山の蜂子神社(山形県鶴岡市)の御開扉が4月29日〜9月30日に行われる。「秘中の秘」と言われてきた、開祖、蜂子皇子の御尊像が明治の初め以来、140年ぶりに一般に公開される。山形デスティネーションキャンペーン(6月14日〜9月13日)の期間に重なり、観光客の増加につながると期待されている。
羽黒山、月山、湯殿山を総称する出羽三山は、崇峻天皇の子、蜂子皇子が開いた信仰、修験の山。伊勢神宮を参拝する「西の伊勢参り」に対し、出羽三山を詣でることは「東の奥参り」と呼ばれ、民衆の間で古くから信仰の対象となってきた。
蜂子皇子の御尊像は、かつては参拝者に拝観されていたが、明治7年に「開山堂」から蜂子神社に改められた際、僧形だった御尊像は堂の奥に仕舞われたという。御尊像は木像とされるが、その姿は一般には知られていない。
御開扉は、東日本大震災発生から3年を踏まえた復興の祈念と、午歳御縁年の記念事業として特別に行われる。羽黒町観光協会は「この機会を逃すと、次にいつ御開扉があるのかは分からない。ぜひ足を運んでほしい」と話している。
蜂子神社は、国指定の重要文化財の羽黒山三神合祭殿の近くにある。御尊像を拝観するには、「お祓料」として500円。お守りなどの記念品が付く。受け付けは午前8時30分から午後5時まで。
周辺観光では、国宝の羽黒山五重塔も見どころ。また、蜂子神社、羽黒山三神合祭殿に至る石段が続く表参道杉並木は、「ミシュラン・グリーン・ガイド・ジャポン」で「三つ星」の評価を受けている。
蜂子神社