全国修学旅行研究協会は、「2019年度 全国公私立高等学校 海外修学旅行・海外研修(修学旅行外)実施状況調査」の報告書を1月に発行した。国際理解教育が学校で進められ、実施校数、参加生徒数とも3年連続で増加していた高校の海外修学旅行だが、19年度は新型コロナの影響を受けて898校、15万5535人となり、前年度よりも64校、1万3346人それぞれ減少した。
「19年度は、11月末に中国湖北省武漢市で初めて確認された原因不明のウイルス性肺炎(新型コロナウイルス)の感染拡大が世界的流行となり、海外への教育旅行の実施に大きな影響を及ぼす年となった。そして、その状況は現在も続いている」と同報告書。
実施校数は公立が3校増の443校、私立が67校減の455校だった。私立での実施の減少が全体の数字に表れた。
「公立高校の修学旅行の主な実施時期は10~12月で、新型コロナの本格的な感染拡大が始まる前に大半の学校が修学旅行を終えていた。私立校の実施時期のピークは秋季(10~12月)と3月であり、3月実施を予定していたすべての学校が実施を自粛。中止や延期、国内修学旅行に急遽(きゅうきょ)変更された」(同報告書)。
旅行件数は118件の減少となる1146件で、公立が7件増の479件、私立が125件減の667件。参加生徒数は公立が1745人減の7万3307人、私立が1万1601人減の8万2228人となった。
旅行先(延べ人数)を見ると、34カ国・地域に訪問。訪問国の上位は、6年連続で1位が台湾、以下、シンガポール、オーストラリアの順。