観光庁はインバウンドについて、2030年をめどに「消費額15兆円」「6千万人の来日」を目標に掲げる。目標実現に向け大きな鍵となるのが「世界各地域からの訪日促進」と「ラグジュアリー(富裕層)インバウンドの取り込み」だ。これらを実現する際に、世界最高水準の料理や食材を用意できる日本は、「食」において他国に対し優位性を保てるはずだが、近年の世界各国での食に対する意識や姿勢、視点などと比較すると、日本の食対応は遅れを取っている。アレルギー対応に加え、ハラールやヴィーガン、グルテンフリーやサステナブル対応などについて、万全の受け入れ体勢が整っている国内の観光施設や宿泊施設は現時点でいかほどだろうか。メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長で、省庁や自治体でのインバウンド誘客関連事業にも多数参画、監修している高橋敏也氏に、日本の食の多様性(サステナブル&ユニバーサルフード対応)の現状や課題、各施設が比較的容易にできる対応策などを聞いた。
食の認証を示すさまざまなマーク。これらを目安に食事処や食材を選ぶインバウンドも多い。われわれは各マークが示す認証の意味や内容をどれくらい理解できているだろうか
34億人に「食のルール」
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