
東京で開かれたセミナー
韓国観光公社(KTO)は18日、韓国のクルーズ船寄港地やクルーズを通じた観光活性化策を紹介する「2019韓国クルーズ観光セミナーin東京」を東京都千代田区のホテルニューオータニで開催した。クルーズに関する勉強会は初開催。旅行会社や船会社、観光関係者ら約50人が出席した。釜山、麗水、済州など寄港地観光の魅力や食などを紹介し、クルーズを通じた誘客を拡大する。
冒頭、KTOの鄭辰洙東京支社長は「昨年は海外から韓国に約22万人がクルーズで訪れたが、日本人は約6万人と最も多かった。釜山、麗水、済州など寄港地には観光や食など魅力はたくさんある」とあいさつした。韓国は16年には225万人の観光客が訪れるも、中国政府による中国発クルーズ船の韓国への寄港が禁止されたことが影響し、17年以降減少している。人気寄港地としては、釜山(76%)、済州(11.6%)、仁川(8.1%)の順となっている。
日本からは、みなと総研・クルーズ総合研究所の沖田一弘副所長が「北東アジアエリアは一大クルーズエリアになろうとしている。国間の輪を広げ、送客を拡大していきたい」と述べた。
セミナーではKTO、釜山、全羅南道、済州のクルーズ関係者が寄港地の観光の魅力やマーケティング戦略を紹介した。
KTOは、寄港地で巡るモデルコースを紹介。済州で万丈窟や東門市場などユネスコ世界自然遺産や伝統市場を巡るコースや、仁川でDMZや月見島など開港場や伝統市場を巡るコースなどを提案した。また、クルーズ観光活性化推進計画として、クルーズトラベルマート、自治体共同の入港歓送迎イベントの開催、海外クルーズ博覧会の参加などを挙げた。旅行会社に向けては、寄港地観光案内通訳ガイド、伝統市場訪問や公演観覧、募集広告、クルーズ船内プログラムなどの支援を案内した。
釜山は、韓国最大の母港、寄港地である強みをPR。金沢、舞鶴、境港、福岡など日本の寄港地からのアクセスの良さや、釜山国際旅客ターミナルと釜山国際クルーズ・ターミナルの二大ターミナルによる受け入れ能力の高さを強調した。
全羅南道は、寄港地から徒歩5分にある麗水のテーマ観光を売り込んだ。世界最大級の水上花火ショーである「Big―Oショー」や、18年7月に開業した「アートランド」などをアピールした。
済州は、17年に開港し、22万トン級のクルーズ船2隻を係留できる西帰浦クルーズ港を紹介。申請は、申請する年の前年の1月までに行い、8時間以上の滞在が条件だと案内した。
KTOは今後、クルーズ船社や旅行会社との共同マーケティングの強化や、海外クルーズ拠点支社の役割強化、クルーズ寄港商品の多様化や高品質化に取り組む。
東京で開かれたセミナー