2019年8月の韓国の訪日旅行者数は、30万8700人で前年同月比48.0%減と大きく落ち込んだ。対韓輸出の規制見直しなどに韓国世論が反応し、訪日旅行を控える動きが拡大し、団体旅行に加え、個人旅行にも影響が及んだとみられる。地方路線を中心とした日韓航空路線の運休、減便もあり、訪日環境は厳しい状況が続きそうだ。
8月の訪日旅行者数は、日本政府観光局(JNTO)が18日に発表した推計値。日本政府が対韓輸出の規制見直しを発表した7月の減少率は7.6%だったが、8月に入って大幅に減少した。
訪日旅行を控える動きは当初、インセンティブ(報奨)ツアーや団体ツアーのキャンセルなどが中心だったが、新規予約の減少など個人旅行にも波及している。韓国のアウトバウンドの伸びの鈍化、ウォン安円高、ベトナムなど他の旅行先の人気なども影響した。
LCC(格安航空会社)の地方路線を中心に日韓の航空路線の運休、減便も相次いでいる。観光庁によると、韓国航空会社による日本路線の9月第1週の運航便数は、前年同期比15%減となった。
航空路線の就航などに合わせたJNTOと航空会社による共同広告などの訪日キャンペーンは現在延期されているが、JNTOの韓国向けウェブサイトやSNSを通じた訪日旅行の情報発信は継続されている。
韓国からの訪日減少への対応について観光庁の田端浩長官は18日の会見で、「韓国の訪日旅行は個人旅行が約85%を占めている。リピーターも多い。ホームページやSNSなどJNTOから個人に直接訴求するものは強化していく。状況をよく注視しながらしっかりと手を打っていきたい」と述べた。