静岡県域のインバウンドを対象とした地域連携DMO「静岡ツーリズムビューロー」(TSJ)は6月16日、県内観光関係者と情報を共有する第2回オンラインセミナー「新しい旅行市場潮流を見据えたTSJマーケティング戦略」を開催した。新たなブランディングとして「TOKAIDO(東海道)」の説明やコロナ禍での需要回復期までのマーケティング事業などを紹介した。TSJディレクターの府川尚弘氏は「状況を正しく理解して備えながら、需要作り、顧客満足度を高めなければならない」と話す。
セミナーでは、「東海道」をテーマにTSJ戦略アドバイザーのトニー・エバレット氏が世界に向けて発信している「東海道ブランドストーリー」の展開を紹介。エバレット氏は「これまでは富士山を強調していたが、見える日は約3割しかなくて注意が必要だ。(1)歴史(2)自然(3)人(4)現代(最先端技術)―の四つを組み合わせて発信することで外国人に響かせられる」と説いた。効果は徐々に表れ、海外から発信されるSNS内に東海道の名前が入り始めていることを明らかにした。府川氏は「観光素材の商品化より、まずストーリーづくりが必要。豊かさなどを付加価値として理解できる翻訳をすることも大切だ」と述べた。
コロナ禍での需要回復期初期までの短期的な取り組みについては、海外向けにはテーマ型ツアー商品プロモーションとして、ゴルフやサイクリングをテーマとしたイベントの企画、開催、商品づくり、プロモーションなどを展開。国内向けには、静岡県が進める県内観光促進キャンペーン「バイ・シズオカ ~今こそ!しずおか!!元気旅!!!~」などを生かし、県民に県内観光を通じた「地域の豊かさの再発見」の機会づくりを行っている。府川氏は「今は転換期。5W1Hを意識しながら需要を作り、顧客満足度を上げ、地域内需の拡大を図る」と話した。キーワードとしては、ライフスタイルの旅、セルフドライブ、自然、広々、屋外、宿泊、食事、アクティビティ、ネットワーク、情報共有などを挙げた。
セミナーの様子