JRグループは18日、青森県や同県内市町村らと連携して実施する大型観光キャンペーン「青森デスティネーションキャンペーン(DC)」を当初の予定通り、23日から7月22日まで実施すると発表した。東日本大震災の発生により区間運休している東北新幹線の運行再開のめどが立ったことなどから開催が決まった。サブテーマとして「がんばろう日本 がんばろう東北」を設定。青森から観光の力で東北を元気にしたいとの思いを込めながら、青森の魅力を紹介する事業を展開する。
東北新幹線の運休のほか、青森県内でも八戸市などで津波の被害を受けたことなどから開催の是非が検討されてきたが、青森県の自治体や観光関連事業者、JR支社などで構成する青森DC推進委員会(林光男会長)が18日に青森市内で開いた総会で決めた。青森DCそのものを東北の元気回復のための取り組みと位置付け、開催するイベントについては一部内容の変更なども行う。
メーンテーマは「行くたび、あたらしい。青森」だが、東日本大震災からの復興への願いと「青森から、東北を元気にしたい」「観光の力で、日本を明るくしたい」との思いを込めて、サブテーマを設定した。全国告知用のポスターには、メーンテーマを使ったロゴマークではなく、サブテーマと東日本をあしらったロゴを使用。青森県を代表する山「岩木山」と桜の風景写真を使い、「あなたが来れば、東北の春は必ずやってくる」と青森への旅を訴える内容となっている。
JR東日本では、青森〜秋田で運行するリゾート列車「リゾートしらかみ」の運行を23日から再開、東北新幹線については30日に全線運行再開を予定しており、23日から5月5日まで開催の「弘前さくらまつり」をはじめとした各種観光イベントへのアクセスに不自由がないよう努める考え。また期間中に同社が企画、実施する旅行商品では、旅行代金のうち1人につき1千円を中央共同募金会を通じ義援金として寄付することとした。
青森DCが予定通り開催されるにあたり、林会長は「青森DCを地域の主要産業である『観光』から東北に光を取り戻す、その第1歩としたい。青森の元気を、東北の元気、日本の元気につなげたい。魅力あふれる青森へぜひお越しを」とのコメントを発表した。
DCの告知用ポスター