“震災伝承館”が来夏、福島県双葉町に開館 


東日本大震災・原子力災害伝承館のイメージ

教育旅行の誘致目指す

 福島県と県観光誘致協議会、県旅館ホテル生活衛生同業組合は6日、東京都内のホテルで、旅行会社やマスコミ関係者を対象に、「ふくしま七転び八起き観光キャラバン」を開催。この中で、東日本大震災に関連した施設が来年夏にオープンすることを報告、教育旅行での活用を呼び掛けた。ホープツーリズムの取り組みや観光素材の魅力も発信した。

 主催者を代表してあいさつした宮村安治・県観光交流局長は、「東日本大震災から8年が経過したが、光と影の部分がある。影の部分をプラスに転換するためホープツーリズムを進めている」などと述べ、本格的な復興に向け、一層の送客を求めた。

 冒頭、県の観光PR隊「HAPPYふくしま隊」が七つの魅力(花、食、温泉、酒、祭り、歴史、自然)を紹介した。

 震災と東京電力福島第1原発の記録や教訓を後世に伝えるため、双葉町に建設中の「東日本大震災・原子力災害伝承館」が来年夏にオープンする。

 建物は地上3階建て、延べ床面積約5300平方メートル。(1)プロローグ(2)災害の始まり(3)原発事故直後の対応(4)県民の想い(5)長期化する原子力災害の影響(6)復興への挑戦―の6エリアを設け、原発事故発生直後の様子や県民生活の変化、復興へと歩む姿などを実写映像で伝えたり、被災した実物資料を展示する。

 また、教育旅行や防災学習を対象とした研修プログラムも実施する方針で、ガイダンスや展示見学、フィールドワーク、語り部講話などを想定している。生涯学習課の遊佐昌志主任は「学校、学年行事での利用を」と呼び掛けた。

 入館料については大人600円、子ども(6~18歳)300円、20人以上の団体の場合、子どもは240円程度を想定している。

 周辺には、レストランや大会議室などを備えた双葉町産業交流センターが来年7月にオープン予定で、復興祈念公園も一部供用が開始される。

 震災の記憶や教訓を後世に伝える施設はいわき市でも整備が進んでおり、「震災メモリアル中核拠点施設」が東京五輪・パラリンピック前に完成する予定だ。市によると、建物は2階建て、延べ床面積546平方メートルの規模。

 県は「ありのままの姿(光と影)と復興に挑戦する人々との出会いにフォーカスした学びの旅」としてホープツーリズムに力を入れているが、これまでのような観光物産交流協会の活動だけでは誘致に限界があるとして、旅行会社の協力に期待した。

 旅行会社が学校に提案する素材としてホープツーリズムを活用してもらうもので、「修学旅行の行程に取り入れたり、農業体験や夏休みなどの合宿にプラスしてほしい」とした。

 一方、福島は酒どころとしても知られるが、今年、日本酒が全国新酒鑑評会で史上初の7年連続金賞受賞数日本一に輝いた。日本酒をPRしようと、来年3月1日まで「酒蔵めぐりスタンプラリー」を実施、抽選で計600人に宿泊券など豪華賞品が当たる情報も発信した。

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