
開催地の郡山市が歓迎の気持ちを込めて伝統芸能を披露。農民歌舞伎を起源に柳橋地区に継承されてきた歌舞伎
地域の活性化を目的に全国各地の伝統芸能を一堂に集めて披露する祭典「ふるさとの祭り」が10月27、28日、福島県の郡山市と会津若松市の各会場で開かれた。年1度の全国大会で20回目。各地から68団体、約1300人が出演し、地域が受け継いできた自慢の伝統芸能を披露した。開催地の福島県をはじめ、東日本大震災、原発事故の被災地からも多くの参加があり、復興への願いを込めた伝統芸能の上演に大きな拍手が送られていた。
主催は、地域伝統芸能活用センター(中村徹会長)や開催地の自治体などでつくる実行委員会。10月27日に郡山市民文化センターで開かれた開催記念式典には高円宮妃殿下が出席された。来賓として羽田雄一郎国土交通相、観光庁の志村格次長らも駆けつけた。
記念式典で同センターの中村会長は「民衆の生活の中で育まれ、継承されてきた伝統芸能は、地域の人と人を結びつける絆だということを震災に際して改めて感じた。伝統芸能を通じて魅力ある地域の姿、復旧、復興に取り組む地域の姿を示したい」とあいさつした。
開催地からは、福島県の佐藤雄平知事、郡山市の原正夫市長、会津若松市の室井照平市長があいさつに立ち、大会の開催を歓迎するとともに、復興へのさらなる支援を呼びかけた。
高円宮妃殿下は、被災者への見舞いの言葉に続いて、「大会が福島で行われることに大きな意義がある。福島そして東北の魅力を全国に発信し、復興への契機となるように期待している」と話された。
全国各地の伝統芸能は、郡山市民文化センターをメーン会場として、郡山駅前、会津総合運動公園の各会場で2日間にわたって披露された。
記念式典に続くメーン会場での公演は、江戸時代の農民歌舞伎(地芝居)を起源に持つ郡山市柳橋地区の歌舞伎がオープニングを飾った。郡山駅前では、福島県いわき市のいわき海星高校が、新盆を迎える家々を供養するために舞うじゃんがら念仏踊りを披露した。
震災で被害を受けながらも活動している宮城県、岩手県の伝統芸能団体も出演。被災地以外では沖縄県沖縄市のエイサー、島根県浜田市の石見神楽、石川県輪島市の御陣乗太鼓、北海道札幌市のYOSAKOIソーランなどが、被災地の復興支援への思いを込めて披露された。

開催地の郡山市が歓迎の気持ちを込めて伝統芸能を披露。農民歌舞伎を起源に柳橋地区に継承されてきた歌舞伎