京都市と市観光協会はこのほど、外国人観光客向けウェブサイト「Kyoto City Official Travel Guide」に、障害に応じて画面を自動的に最適化するウェブアクセシビリティシステム「ファシリティ」を導入した。「国内では初めて」(観光協会)で、外国人障害者の利便性向上に役立ちそうだ。
同システムはフランスのベンチャー企業、ファシリティが開発。観光協会によると、パリ市観光局やミシュランなど、欧米の行政機関や企業などで導入されている。
利用方法は、ウェブサイトにあるファシリティのロゴマークをクリックしてファシリティの設定ページを開き、自身の障害などを選択することで最適化されたウェブサイトを閲覧できる。
例えば「白内障」の設定を行うと、行間が広くなり、文字サイズが調整される。画面のコントラストも変わる。「一般的に、ウェブを白内障対応にしようとすると、ページごとにデザイン変更などの調整作業が必要だが、このシステムではそういった手間がかからない」(同)。
視覚系疾患では白内障のほか、色覚障害や老眼、加齢黄斑変性症など、動作系ではパーキンソン病や識字障害などにも対応している。
3月末まで試験導入して効果を検証、本格導入について検討を進める。
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会や東京五輪・パラリンピック開催を控え、京都や日本への注目度がさらに高まることが予想されるが、観光協会は「年齢や障害の有無に関わらず、多くの人に京都の観光情報を届けることで、誰もが楽しめるユニバーサル観光のさらなる充実を図っていく」と話している。