
熊本国際空港(熊本県益城町)が建設を進めていた阿蘇くまもと空港の新旅客ターミナルビルが3月23日、オープンした=写真はイメージ。搭乗者の利便性向上の一方、搭乗しない人も来場しやすい施設となり、「交流人口の増加を通じて地域活性化にも貢献する」としている。
同空港は7年前に起こった熊本地震で天井が落下するなど大きな被害を受け、建て替え工事が進められていた。新旅客ターミナルは1期開業部分で、来年秋には2期として広場を中心としたにぎわい空間がオープンする予定。
新旅客ターミナルビルは地上4階建てで、敷地面積は約21万7千平方メートル、延べ床面積は約3万800平方メートルで、以前の1.4倍ほどという。建物の外観は熊本城をイメージ。国内線を黒、国際線を白で統一し、城の石垣や加藤清正の家紋をモチーフにしたデザインを取り入れている。
熊本地震のような短期間に繰り返す強い揺れにも耐えられるよう耐震性能を高めたほか、非常時のライフラインも強化し、電源喪失の備え、非常用発電機からの供給持続可能時間を現行の4時間から72時間に拡大した。
また、到着ロビーでは快適な熊本の旅をワンストップでサポートする「ウエルカムプラザ」を整備。レンタカーカウンターをはじめ、手ぶらで観光が楽しめるよう、その日のうちにホテルに荷物を届けるサービスも行う。
中央には「くまモンのデジタル観光案内所」を設け、タッチパネル式のサイネージを活用して旅行者にさまざまな観光情報を提供する。
3階の搭乗エリアには約30の飲食店や土産物店などがあり、フードコートエリア、デパ地下ゾーン、物販・サービスの三つに分かれている。