
災害はいつ起きるか分からない。万一のための対策が必要だ(写真はイメージ)
今年は関東大震災が発生してから100年の節目に当たる。発生日の9月1日は政府が「防災の日」と定めるとともに、その前後を含めた1週間(8月30日~9月5日)を「防災週間」として、国民に防災意識の高揚を訴えている。地球環境の変化が叫ばれ、地震、台風、大雪と、毎年のように大きな自然災害に見舞われるわが国。旅館・ホテルなど観光事業者もこれら災害への備えを怠らないようにしたい。
6月16日に公表された今年の「防災白書」では、発生100年を迎えた関東大震災を特集した。関東大震災は1923年(大正12年)9月1日11時58分に発生した、相模湾を震源とするマグニチュード7.9の海溝型地震。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県と広い範囲で震度6を観測し、強震により10万棟を超す家屋が倒壊するとともに、発生が昼食の時間と重なったことから多くの火災が発生。大規模な延焼火災に拡大した。全半壊、焼失、流出、埋没の被害を受けた家屋は約37万棟。死者、行方不明者は約10万5千人に及んだ。これら人的被害のうち、約9万人は火災によるものだった。
白書では関東大震災で得られた教訓の一つとして、「国民一人一人の防災意識や、それに基づく『自助』『共助』の取り組みが、地域の防災力を高める上で不可欠な要素である」ことを挙げた。
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