長野県阿智村は4月10日、観光施設（宿泊、レジャー、展示、観光案内所など）の営業自粛を盛り込んだ「新型コロナウイルス感染阻止宣言」を発令した。これを受け、昼神温泉の旅館などは5月6日まで、休業する。
宣言は、熊谷秀樹・新型コロナウイルス感染症対策本部長（村長）名で発令。
村はこれまで、イベントや会議の中止・延期、小中学校休校などの「感染防止対策」を実施する一方、村内宿泊施設の村民謝恩キャンペーンなど「地域経済への影響の最小化」に取り組むなど、「いわば相反する二つの課題に挑んできた」（村）が、感染阻止に向けかじを切った。
宣言は村民、村内事業者および従業員に「お願い」というかたちを取り、（1）3密を避け、手洗いや消毒などの感染予防を実施するとともに、不要不急の外出を極力避ける（2）県外、とりわけ緊急事態宣言の対象地域への往来は極力避ける（3）県内外の観光客が顧客となる観光施設の営業の自粛―への協力を求めた。
村は「お願いは、村民および村内で働く人の生命を守ることを最優先に考えた上での決断」としている。
宿泊施設については、昼神温泉の場合、旅館・ホテル全施設約20軒が5月6日まで休業。「7日以降も当面の間休業の施設あり」という。このほか、阿智☆昼神観光局、人気の天空の楽園ナイトツアーも6日まで休業する。
休業に伴う補償などが問題となってくるが、市は「何らかの支援を検討していきたい」と前向きな姿勢を示している。
20日現在、村内での感染は確認されていないが、「リスクは増大していると言わざるを得ない」と危機感を強めている。
