帝国データバンクによると、ホテル経営の島田屋(長野県伊那市)は9月3日、長野地裁伊那支部から、破産手続き開始決定を受けた。長野県内で新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が判明したのは11件目。負債は約4億2千万円。
同社は、1915年に日用雑貨店として創業した業歴100年を超える老舗業者で、50年10月に設立した。
当初は、衣料品販売を主力に業容を拡大したが、商店街の空洞化や郊外型量販店の進出などにより業容が縮小。97年に本店を改装し、ビジネスホテル「第一ホテル島田屋」(全22室)をオープン。衣料品などの販売部門とホテル部門を両輪として事業を展開していた。
JR伊那市駅近くに立地するアクセスの良さもあって、2001年8月期には年売上高約2億円を計上していたが、競合の激化などから両部門とも業績が低迷。従前の設備投資に伴う借入金負担も重く、厳しい経営を続けていた。
近年は金融機関の支援を受けながら、ホテル事業に特化して経営改善を図っていたが、19年8月期の年売上高は約2800万円に後退。さらに、今年に入り新型コロナウイルス感染拡大の影響により利用者が激減し、4月以降は休業状態が続いていた。