長崎市に29日、「恐竜博物館」がオープンする。20数体の恐竜の全身骨格標本のほか、本物の恐竜の化石など180の標本を展示する。恐竜に特化した博物館はまだ少なく、市の新たな観光スポットとして期待されている。年間入館者は約12万人を見込んでいる。
2010年7月、長崎県初の恐竜化石が発見されたのを皮切りに、市ではこれまで1300点以上の化石が見つかっている。特に、野母崎地区は多くの化石が発見され、博物館はこの地に総工費約21億円をかけて建てられた。
博物館からは世界遺産・軍艦島(端島)が望め、軍艦島資料館や景勝地「水仙の丘」などを含めた一帯は「長崎のぼざき恐竜パーク」として整備される。
博物館は鉄筋コンクリート造り一部2階建て、延べ床面積約2600平方メートル。全身骨格標本が並ぶ常設展示室や、期間限定のイベントを開催する企画展示室のほか、化石などの調査の様子を公開するオープンラボなどがある。
目玉は、肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(Tレックス)の全身骨格標本レプリカ(全長13メートル)で、世界で唯一ここだけで見られるという。日本で初めて長崎市で発見された全長10メートルと推定されるティラノサウルス類の歯も展示される。
入館料は大人500円、中学生以下200円、3歳未満無料。開館時間は9~17時で、月曜日が休館となる。新型コロナ対策のため、オープン後しばらくは定員を1時間当たり280人に制限する。ホームページから事前予約が必要。