鉄道各社、訪日客対応を強化


東京メトロ銀座線上野駅改札口横に設置されたウェルカムボード

東京メトロ銀座線上野駅改札口横に設置されたウェルカムボード

 訪日外国人旅行者が増加する中、鉄道会社が彼らの利便性向上を目的としたインバウンド施策を強化している。この冬、東西の鉄道会社が新たに始めた施策3例を紹介する。

Wi—Fi整備
 阪急阪神ホールディングスは12月21日から、阪急電鉄や阪神電気鉄道など傘下の鉄道会社7社全157駅で、訪日外国人旅行者向けの無料公衆無線LANサービス「HANKYU—HANSHIN WELCOME Wi‐Fi」の提供を始めた。

 同社の説明によると、鉄道事業者が全駅で自社設備を使用して訪日旅行者向けにWi‐Fiを無料提供するのは全国で初めて。また、同社の商業施設など9施設でも利用できる。

 同社グループの鉄道や商業施設を利用する訪日旅行者は、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット(多高機能携帯端末)で簡単な認証手続きを済ませると、1日1回15分、3回まで利用できる。

 同社がインバウンド施策として実施している阪急電鉄や阪神電鉄のフリー乗車券を購入した訪日旅行者は、3日間無制限で利用できる。

 同社のインバウンド向けウェブサイト「大阪・京都・神戸 黄金路線360。」から認証手続きを行う。同サイトは、英語と韓国語、中国語(簡体字、繁体字)で表記している。

案内ボード設置

 東京メトロはこのほど、外国人旅行者用の観光案内板「ウェルカムボード」を銀座線上野駅、丸の内線新宿駅の改札口近くに設置した。

 ウェルカムボードは、英語と中国語、韓国語、日本語で表記されている。東京スカイツリーや銀座、浅草、新宿などの観光地や商業地までの行程、地下鉄の乗車方法、電子マネー「パスモ」や一日乗車券の使い方などを記載している。

 また、ウェルカムボードには東京観光に便利な各国語表記のパンフレットや路線図も備え付けられている。

 同社では今後も、訪日外国人向けの案内を強化していく方針だ。

割引切符を販売
 JR東日本は10日から、訪日外国人旅行者向けに成田エクスプレスの普通車指定席を利用した場合の運賃と指定席特急料金を大幅に割り引いた切符の販売を始めた。成田空港から成田エクスプレスを利用し、途中で改札を出なかった場合、東京電車特定区間内のどの駅でも1500円(子ども750円)で行くことができる。

 対象は、外国のパスポートを所持する外国籍の訪日旅行者。JR成田空港駅、空港第2ビル駅で、購入者のパスポートを確認した上で販売する。

 この切符を使えば、通常期で成田空港から2940円かかる東京、3110円の品川、渋谷、新宿、池袋(いずれも東京都)、3740円の大宮(埼玉県)、4500円の大船(神奈川県)など、特定区間内の同社の全ての駅まで1500円で行くことができる。特定区間内から成田空港駅、空港第2ビル駅へと向かう逆方向の利用はできない。

 同社では、今後拡大する訪日外国人旅行者の経済的な利便性を高めることで、JRより通常運賃が安価な京成電鉄のスカイライナーやリムジンバスに対抗する狙いがある。

東京メトロ銀座線上野駅改札口横に設置されたウェルカムボード
 
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