
記念撮影に臨む受賞者ら(左から4人目がグランプリのクラツー担当者)
優れた鉄道旅行商品を決め、表彰する催しが4日、さいたま市の鉄道博物館で開かれ、クラブツーリズム(クラツー)の「『ななつ星in九州』と『飛鳥Ⅱ』夢の競演 大地と海をめぐる豊穣の九州」がグランプリを受賞した。審査委員のひとり、井門観光研究所代表の井門隆夫さんは「発想力と企画性の勝利。プロならではの手配力にも頭が下がる」と評価した。
この催しは、「鉄旅オブザイヤー」(実行委員長・丸尾和明日本旅行社長)。旅行会社が造成する鉄道旅行商品の企画力やオリジナリティーを競うもので、今回で4回目となる。18社から95商品の応募があった。
実行委による1次審査を通過した17商品について、俳優の関口知宏さんを委員長とする外部審査員が最終選考した。グランプリのほか、準グランプリ、審査員特別賞、ルーキー賞の計5商品が選ばれた。
冒頭あいさつした丸尾委員長は「列車の旅は地域活性化の大きな要素となる。質の高い、新しい旅の価値を商品として出していくことが必要だ」と述べた。
クラツーの受賞商品は昨年7月に5泊6日で実施したもの。ななつ星と飛鳥Ⅱという人気の運輸機関を利用するため、スケジュール調整などに苦労したという。「ななつ星の発車時刻の関係上、羽田空港の7時25分発と早朝出発せざるを得なかったため、自宅から羽田までのハイヤーを1組に1台ずつ用意した」と担当者。
1人当たりの平均単価は92万円という高額だったが、ツアー参加者からは「これ以上、これ以下もない生涯唯一の良き旅だった」との声もあったという。販売高は2579万円に上った。2月以降、同様の商品を造成する予定。
シンガーソングライターのオオゼキタクさんも「贅を尽くす旅。誰もが憧れるななつ星に豪華客船を組み合わせ、これ以上ない優雅な時間が堪能できそう」と評した。
準グランプリはジェイアール東海ツアーズが8月に実施した「親子で行く修学旅行〜発見!東海道新幹線のおしごと」が受賞。東海道新幹線「大井車両基地」への回送線からの入場、ドクターイエローの車内見学などを盛り込んだ。発売開始から19分で完売する人気で、実施した3回で計238人が参加した。
審査員からは「普段見ることができないドクターイエローの車内が見られたり、特典が満載。文句なし」(ママ鉄代表の豊岡真澄さん)とうらやむ声も。
審査員特別賞には日本旅行の「SLブライダルトレイン・パッケージプラン」とクラツーの「三陸鉄道・北リアス線を全線縦断、新型お座敷車両を貸切運行『お・か・し・な列車』2日間」が選ばれた。
また、ルーキー賞は読売旅行の「ゆったりめぐる思い出の九州鉄道の旅!乗り放題切符アクティブ65利用、別府温泉&ロマンチック長崎 九州横断7つの鉄道物語3日間」が選ばれた。

記念撮影に臨む受賞者ら(左から4人目がグランプリのクラツー担当者)