源泉かけ流しの温泉を提供している全国12の温泉地域で組織する日本源泉かけ流し温泉協会(伊東義文会長=大分県長湯温泉・丸長旅館)の第12回「源泉かけ流し全国温泉サミットin野沢温泉」が5月25、26日、長野県野沢温泉村のスパリーナ国際会議場で開かれた。温泉を活用した地域づくり、源泉かけ流し温泉の効能などについて発表が行われ、自然の恵みである温泉の重要性を再認識した。
同協会は2011年6月に発足。日本独自の温泉文化、湯治文化など、源泉かけ流し温泉の魅力の発信、知識の普及などに取り組む。参加する地域を安心、安全な温泉を提供する温泉地として全国にアピールしている。
サミットの受け入れ実行委員長で野沢温泉観光協会会長の森行成氏は「源泉かけ流しという言葉が日常に使われ、市民権を得た。この機会に『温泉経営者が温泉知らず』と言われないように学んでもらいたい」とあいさつをした。
式典の第1部では、富井俊雄・野沢温泉村長をはじめ、竹中貢・上士幌町長(北海道)、首藤勝次・竹田市長(大分県)らが登壇。「行政から見た源泉かけ流し温泉の地域発展・活性化に向けた可能性」をテーマに、温泉を活用した街づくりの取り組み事例を紹介し、地域の活性化策を語った。
第2部の講演では、大河内正一・法政大学生命科学部教授が、「温泉研究者から見た源泉かけ流し温泉の優位性と可能性」として、温泉水の有する優れた効果を解説。還元系の浴用法(源泉かけ流し)にはアンチエージング(抗老化、抗加齢)の効果があることなどを力説した。
第3部では、じゃらんリサーチセンターの服部卓郎エリアプロデューサーが「旅行業界から見た源泉かけ流し温泉の商品化・販路拡大の可能性」として語った。旅行商品化、マーケティングを進めるには、ターゲット戦略が最重要課題と指摘した。
サミットには全国各地から会員、メディアなど約100人が出席。式典の前日には、商談会やメディア関係者との情報交換会が行われた。
また、次回のサミットは、東京で開催することが決定した。
日本源泉かけ流し温泉協会の伊東会長(前列右から4番目)と野沢温泉観光協会の森会長(同6番目)