都市農山漁村交流活性化機構(東京都中央区、石井幸孝委員長)は12日、日本の自然や文化を残す農山漁村地域への外国人旅行者の誘致を目的にした観光立村(国際グリーン・ツーリズム=GT)事業のモデルプラン実証調査地区6地区を発表した。外国人モニターの派遣などによる実証調査を通じて、観光立村のモデルを育成する。同事業は農林水産省交付金事業の一環として行われる。
同機構では観光立村のモデルづくりに向けて、農山漁村地域で活動するNPO法人、第3セクターなどを対象に8月15日まで意欲のある地域を募集した。その結果、モデルプラン実証調査地区に選定した全6地区は、実業年数を今年度1カ年とする地区が埼玉県さいたま市鷺山地区、富山県立山町(平野部)、岐阜県高山市一之宮地区、熊本県山都町の4カ所。08年度まで2カ年実施する地区が宮城県東松島市、長野県飯山市の2カ所。
選定地区では、(1)日本らしさを生かしたGTの企画作り(2)外国人旅行者を想定した受け入れ態勢の整備(3)外国人旅行者の集客のため、旅行会社など企業や団体との接点づくり──などの実証調査を実施。農家や地元住民と交流する「日本人との触れ合い」、そば打ちなどの「日本文化の体験」をきっかけに、「日本らしさ」を外国人旅行者に体験してもらえるような観光立村モデル地域を育成する。
第1回モデルプラン実証調査を9月中旬から10月までの期間に1泊2日で実施。地域資源やGTにかかわる組織の活動などの現状把握、外国人旅行者を対象にしたモデルツアーの企画の検討と策定など行う。第2回目は10月中旬から08年1月中旬までの期間、1泊2日で在留外国人などを対象にしたモニターツアーを実施する。活動費用は地域の自己負担だが、モニターツアーにかかる費用などの一部を補助する。
同事業は、「大都市部の観光情報は手に入るが地方の情報は入らない」「日本らしい観光ブランドが感じられない」などの外国人旅行者からの不満を解消する目的もある。