都市景観大賞に高松市屋屋島地区と長崎の夜景まちづくり


 国土交通省は5月31日、2023年度の「都市景観大賞」を発表した。良好な景観の形成に資する普及啓発活動の一環として、1991年度から毎年「都市空間部門」「景観まちづくり活動・教育部門」の2部門で実施しているもの。今年は大賞(国土交通大臣賞)として、「都市空間部門」で香川県高松市の「高松市屋島地区」を、「景観まちづくり活動・教育部門」で長崎県長崎市の「長崎の歴史文化を生かした夜景まちづくり」を選定した。大賞は6月15日に国土交通省で表彰式をおこなう予定。

 「都市空間部門」については8つの応募のうち5つを大賞や優秀賞などに選定。このうち「高松市屋島地区」は瀬戸内海国立公園と国の史跡・天然記念物に指定されており、1972年は年間入込客数246万人を誇る観光地だったが、施設の老朽化や景観の劣化などから年間50万人まで低迷。こうしたなか官民一体で持続的な活性化をめざして取り組み、2013年1月に「屋島活性化基本構想」を策定。屋島山上と山麓を結ぶ主要ルートの民営の自動車専用有料道路を市道化し「屋島スカイウェイ」として刷新したほか、展望施設として屋島山上交流拠点施設「やしまーる」を整備。カフェや民間野外博物館などのリニューアルに取り組むなど、人の流れと賑わいをもたらしたことが景観形成の先駆的モデルとして評価された。

 「景観まちづくり活動・教育部門」で大賞を受賞した「長崎の歴史文化を生かした夜景まちづくり」は、1993年から「平和の灯」、1994年から「ランタンフェスティバル」、2007年から「長崎夜市」といった、夜景景観地域活動を長年実施。こうした取り組みや、長崎市の夜間景観整備計画、商工会議所をはじめ16団体からなる「長崎夜景プロモーション実行委員会」の夜景観光のアピールなどが高い地域経済効果に貢献しているとし、夜間景観を中心にした先駆的かつ独創的な公民連携での取り組みとして評価された。

 各部門の受賞活動名については以下の通り。

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