
登壇した各自治体の首長
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故からの復興を支援するイベント「東日本大震災から10年『復興の軌跡とこの先の挑戦』」(福島民報社、城南信用金庫など主催)が10日、日本青年館ホール(東京都新宿区)で開催された。福島県内の首長や高校生、同県ゆかりのゲストが登壇し、復興への思いを伝えた。
第1部の冒頭あいさつで、内堀雅雄福島県知事は「復興は完了形でなく現在進行形。困難や逆境を克服するために挑戦し続けなければならない」と復興関連事業への決意を述べた。
リレーメッセージでは内田広之いわき市長、伊澤志朗双葉町長、佐川正一郎矢祭町長、杉岡誠飯舘村長が登壇し、10年間の各自治体の復興の軌跡や現状、今後の取り組みなどについて意見を交わした。いまだ全町避難が続く双葉町の伊澤町長は「住民が無事に戻れる状況になった時に向け、企業の誘致や災害に強いまちづくりを進めている」と話した。
第2部では、あさか開成高校(郡山市)の生徒による避難者支援のボランティア活動、日本青年団協議会の復興に関する取り組みが紹介された。作家の柳田邦男氏は「心の再生と地域の発展~絵本の力を見直そう」と題した講演を行い、絵本の読み聞かせを通した教育の重要性を伝え、「困難時や災害時に助け合える地域社会の形成が大事だ」と述べた。テレビ朝日の佐藤ちひろアナウンサー(いわき市生まれ、南相馬市育ち)による、震災がテーマの絵本「きぼうのとり」の朗読も行われた。
第3部では、温泉施設スパリゾートハワイアンズ(いわき市)のダンシングチームが復興を願いフラダンスを披露した。続いて福島県出身の歌手、つのだ☆ひろさんが同施設を運営する常磐興産の前身「常磐炭礦」の社歌「我等の力」(同県出身の作曲家、古関裕而氏作曲)などを熱唱。
つのださんは同曲のリズムを示すデータが現存していないことを明らかにし、「城南信用金庫の川本恭治理事長が、我等の力を歌える福島県内の方々にアプローチし、今日歌うためのベースを作ってくれた」とのエピソードを披露した。
「我等の力」を熱唱するつのだ☆ひろさん
登壇した各自治体の首長