道後温泉(愛媛県松山市)のシンボル「道後温泉本館」が11日、約5年半の保存修理工事を終えて全館で営業を再開した。10日は記念式典が同館正面玄関前で行われ、松山市の野志克仁市長、道後温泉旅館協同組合の奥村敏仁理事長(大和屋本店社長)ら関係者があいさつとテープカットを行った。
野志市長は「100年に一度の大修理が終わり、いよいよ全館で営業を再開。初心を大事に、良いおもてなしを積み重ねていけば、この地域はさらに100年輝き続けられると信じる」。
奥村理事長は保存修理工事に当たった関係者に謝意を述べるとともに、「にっぽんの温泉100選」(観光経済新聞社主催)で一昨年、昨年と2年連続で3位に入選した実績を強調。「これからますます努力して交流人口の拡大に努め、地元経済に貢献したい」と語った。
道後温泉本館は国の重要文化財に指定される公衆浴場。1894(明治27)年の改築後、今年で130周年の節目を迎えた。耐震補強などを目的に2019年1月から保存修理工事に入り部分営業をしていたが、予定より約半年早くこのほど完成した。
新たな試みとして、従来開放していなかった3階の広間2室を休憩室として一般開放。90日前からの事前予約で利用できる。
野志市長(左から4番目)、奥村理事長(右から4番目)ら関係者によるテープカット