日本旅行の研究部門、日本旅行総合研究所はこのほど、全国の「道の駅」を対象に運営に関する調査を行い、結果を公表した。「顧客満足のために力を入れていること」は「特産品の販売」、「運営上の課題として考えられるもの」は「売り上げの低迷」が最も多かった。
調査は昨年8~12月、全国の道の駅1194カ所に実施。有効回答は403件。
「顧客満足のために力を入れていること」について、重要度が高いもの三つを順位を付けて選んでもらった。重要度1位が最も多かったのは「特産品の販売」で、41.9%と4割以上の道の駅が選んだ。2位以下は「人材育成(接客者向け)」14.1%、「商品開発・オリジナル土産開発」12.2%、「館内美化・清掃」8.7%、「店内飲食のメニュー開発」6.7%―など。
特産品の販売は、2位を大きく引き離しての1位。「顧客満足度の向上のためには非常に重要な課題であることが分かる」(日本旅行総合研究所)。
10のエリア別でも、全てのエリアで特産品の販売が1位となった。特に北陸(57.9%)、九州・沖縄(61.2%)で5割を上回る結果となった。
2位はエリアにより違いがあり、北海道は「館内美化・清掃」、東北は「店内飲食メニューの開発」と「人材育成(接客者向け)」、関東、甲信越、北陸、中部、中国、九州・沖縄は「人材育成(接客者向け)」、近畿、四国は「商品開発・オリジナル土産開発」となった。
「これらの結果から、道の駅における顧客満足のためには、“地域ならではの価値”と、それを提供する“人”がポイントであると考えられる」(同)。
「運営上の課題として考えられるもの」は、「売り上げの低迷」を1位に挙げた施設が最も多く、20.1%が挙げた。次いで「人手不足」15.6%、「閑散期の利用者数」14.6%、「生産者の高齢化」10.2%、「雇用の確保」9.2%―など。
「利用者数の低迷は」6.7%で7位。「閑散期を除くと来訪はあるものと考えられるが、売り上げに結び付けることが課題かもしれない」(同)。
エリア別では回答結果が異なり、「売り上げの低迷」は関東、中部、近畿、中国、九州・沖縄、「人手不足」は北陸、「閑散期の利用者数」は北海道、東北、甲信越でそれぞれ1位となった。四国は全国の合計で5位だった「雇用の確保」が1位に。
閑散期の利用者数が1位となった地域は冬季の降雪が多く、アクセスしづらいことが影響しているとみられる。
人手不足が1位となった北陸は有効求人倍率が全国平均を大きく上回り、人手不足が顕著なことから道の駅でも例外ではないことがうかがえる。