近鉄がクラブツーリズムを子会社化、ファンド株を取得


 近畿日本鉄道(大阪府大阪市、小林哲也社長)は6月27日、持分法適用関連会社のクラブツーリズム(東京都新宿区、岡本邦夫社長)の株式のうち、複数のファンドが保有する株式を取得して、クラツーを連結子会社化すると発表した。株式取得日は8月25日の予定。近鉄グループはレジャー・サービス部門をコア事業と位置付けており、今回の子会社化で、旅行事業と周辺事業の強化と成長を図る。

 クラツー株を保有するファンドからの全株譲渡の申し入れを受け、同日開いた取締役会で決めた。クラツーの会員組織を活用した派生・提携ビジネスへの積極的な取り組みを評価し、今後の成長が見込めると判断した。

 取得するのはジャフコ・バイアウト2号投資事業有限責任組合、ビジョン・キャピタル1号投資事業組合などの投資ファンドが保有する普通株式9750株で、取得価格は97億5千万円。取得により近鉄が保有するクラツー株は、5063株から14813株、保有比率は26.8%から78.4%となる。

 クラツーは04年に近畿日本ツーリストから分離・独立したのに伴い、近鉄と複数のファンドからの出資を得て事業を拡大。08年3月期は前年同期比0.4%減の売上高1412億4200万円計上したが、経常損益は前年の4億1400万円の黒字から12億9600万円の赤字に転落。高橋秀夫取締役名誉会長も6月23日付で退任している。

 近鉄グループでは、近鉄の持分法適用関連会社の近畿日本ツーリスト(KNT)が旅行事業の中核を担っている。本社の取材に対し、近畿日本鉄道グループ事業本部事業管理部は、「クラツーとKNTの事業領域は全く異なるものととらえており、今回の子会社化が両社の合併や業務の集約に結びつくということは一切ない」と明言した。

 今回の株式取得に伴い、近鉄は09年3月期の連結業績予想を修正した。売上高は前回発表時比600億円増の1兆200億円。経常利益は350億円で前回発表時と変わらない。

 
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