近ツーと横浜商科大、観光振興で連携協定


左から柴田学長と木島本部長

左から柴田学長と木島本部長

 近畿日本ツーリスト(近ツー)と横浜商科大学は11月26日、同大学で観光振興における相互の連携協定に関する基本的事項について協定を締結した。来年4月に「観光マネジメント学科」が新設されるのにともない、近ツーは長年の旅行業で培ってきた経験やノウハウを生かし、観光分野における人材育成事業ついて全面的にサポートを行う。

 同日開催した記者会見で近ツー首都圏営業本部の木島正人本部長は「人材育成事業として旅行、イベント研修、インターンシップ、留学などの具体的な案件について、立案実施に協力する」と述べ、「現役学生による神奈川県、横浜市などの着型商品の開発と販売を行っていきたい」と具体的な目標を挙げた。

 横浜商科大の柴田悟一学長は「大学は座学が中心。企業とのフィールドワークを広げるカリキュラムの一環」と述べ、近ツーとはスポーツ関連イベントや、海外へのインターンシップなどを行っていきたい考えを示した。

 近ツーが大学と部分的に連携する例は以前にもあったが、単位履修も含め包括的に提携をするのは今回が初めてとなる。

 近ツー横浜支店の荷見篤志支店長によると、着型商品の開発は観光マネジメント学科の1年生全員でグループワークを実施し学生目線を生かして造成を行う。例えば修学旅行生を想定した商品などを挙げた。

 優秀な作品は近ツースタッフによる修正などが行われたのち、翌年3月から商品として販売する。

 大学にはアドバイザーとして地域誘客事業部、横浜支店、ティー・ゲートを中心にスタッフを派遣し、商品の販売はティー・ゲートが行う。

 3年生からは実業界と連携した「フロンティアプログラム」を開始する。学生は観光ビジネス、観光マーケティング、MICE、まちづくり、スポーツマネジメントの五つのテーマからから一つを選択し学習を深める。

 またスポーツビジネスの実体験として、近ツーが同県箱根町で開催するイベント「第3回温泉DE女子フットサル大会IN箱根」を立ち上げ、運営、接客について現場で学ぶ。今後同大会を含め、単位認定を視野に入れたスポーツビジネスの体験プログラムを実施していく。

 近ツーへの就職の優位性について柴田学長は「近ツーへの就職の道を切り開きたい」と期待を示した。木島本部長は「平等に門戸をあけている。インターンシップで旅行業の実践の即戦力になる人材に育てるお手伝いをし、かつ入社してもらえる魅力的な会社にならなければならない」と語り、今回の提携について「人材確保が主ではない」と前置きした上で、「旅行会社は入社するとイメージが異なるようだ。インターンシップである程度理解した学生に戦力として入ってもらったほうが、企業、学生とも幸せになれるのでは」と強調した。

 同連携事業の窓口は近ツー横浜支店が担当する。

 また現行の「貿易・観光学科」は現在の1年生が卒業するまで存続する。ただ観光マネジメント学科とはカリキュラムが異なる。

左から柴田学長と木島本部長
左から柴田学長と木島本部長
 
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