跡見学園女子大学 笠原清志学長に聞く 

  • 2021年12月6日

跡見学園女子大学 笠原清志学長

インバウンド観光再開に備える

 跡見学園女子大学(東京都文京区、笠原清志学長、跡見女子大)は12月11日から、観光産業の人材育成と基礎的知識の習得を行う「観光経営人材育成講座」を開講する。「コロナ禍での観光の未来を考える:インバウンドのセカンドステージでの課題と人材育成~ジェンダー、異文化理解、ハラール対応」がテーマで、受講料は無料。笠原学長に講座開講の意義や目指すものを聞いた。

 ――今回開講する観光経営人材育成講座について。

 「同講座は、東京都が支援する『大学等と連携した観光経営人材育成事業』の採択を跡見女子大が受託して行うもの。東京都と跡見女子大が連携し、コロナ後の新たな旅のスタイルに適応した観光経営を見据え、中でもインバウンド観光のセカンドステージに対応できる人材育成を目指した教育プログラムの実施および教材開発を目的としている」

 ――同講座の内容について伺いたい。

 「ウィズ・アフターコロナ期でのインバウンド再訪時の観光を見据えたプログラムを用意している。多様な宗教、文化、習慣に対応できる能力を備え、今後の観光産業活性化への戦略を考えられる観光経営人材を育成するメニューをそろえている。同講座は、今年から2023年までの3年間開講する予定で、今年度の講座ではインバウンド観光の復活に向けた戦略を学び、課題を議論するほか、ジェンダー、異文化理解、ハラール対応など、まさにインバウンド観光が再開した際に観光客から求められる題目を学ぶ」

 ――跡見女子大ならではの特色などあれば。

 「同講座を都内の多くの大学が開講してきたが、女子大では初となる。女性のキャリアデザインなどの科目を多く設ける跡見女子大ならではの『女性としての』『女性に対しての』視点を取り入れている」

 ――同講座が目指すものについて。

 「今回のプロジェクトでは、アフターコロナ期でのインバウンド再開後、外国からの旅行者をどう受け入れるかの戦略の在り方を議論する。インバウンドの誘客を再度拡大するにはジェンダー、LGBT、ハラールなど山積する問題を解決しなければならない。同講座ではこのような世界で新しく生まれている問題をアカデミックな立場から分析し、皆さんと議論しながら解決へと導いていきたい。また、単なるノウハウを越えて、理論的、体系的に理解できる能力を備えた人材の育成を行い観光関連事業者の経営力向上を図るほか、観光産業の活性化につなげたい」

 ――観光教育の現状についてはどう考えているか。

 「日本には観光人材、従業員が多くいるが系統的に学ぶ場はまだまだ少ない。昔から見ると現在は画期的に見えるが、人材教育にはまだ時間とお金をかけてないように思える。一部で上場する企業が生まれ、若い学生からは人気となっている企業もあるが、一方で教育された人材不足や長時間勤務で日々を乗り越える企業があるなど、『ブラック企業』がある業界とも言われる。今後は、観光業界自体がこの表裏のギャップを埋めなければならない。メーカーなどで進む人事管理の近代化など、すぐに取り入れられるものもある。アフターコロナ期の観光V字回復期も見据えて取り組んでほしい」

 ――最後に、跡見女子大が観光を学べる学部として設けている「観光コミュニティ学部」について紹介いただきたい。

 「『観光』『コミュニティ』をキーワードに、社会学、文化人類学、観光学、経営、都市計画などの観点から、人と観光、人とコミュニティについて学べる。観光する側と受け入れる側、観光の光と影、日常生活と観光。災害とコミュニティ、子ども食堂、子育てとママ友ネットワーク、女性の移住と地方の再評価、現代の幸福感。自分の周囲3メートルのエリアから国際社会まで、『私』と社会の相互連関性を意識しながら、どう生きたいか、何をしたいか、深く、広く、一緒に考え、行動する人を育てている。学部内には『観光デザイン学科』『コミュニティデザイン学科』を設けている」

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