銀行界 超低利融資が減少の兆し 企業、長期・固定を選好


 拡大を続けていた大手行や地域銀行の超低利融資が頭を打ちそうだ。国内銀行の利率0.5%未満の貸出残高は、2月末で207兆円となり、前年同月比0.1%減少した。新型コロナ禍の関連融資増による反動減を除くと、15年ぶりの前年割れとなる。金利上昇を見据えた企業の「長期・固定金利」選好の強まりや、信用リスクに見合った貸出スプレッドの確保など、借り手・貸し手双方の行動変容が背景にある。

 10年を超える異次元金融緩和は、融資ボリュームの拡大と超低金利シフトを加速させた。日本銀行の統計によると、金利が0.5%未満の貸出残高はピークの2023年12月末で210兆円に達し、異次元緩和開始前(13年3月末)に比べて150兆円以上増えた。融資全体の伸び率を大幅に上回り、同残高の割合も同期間で20%ポイント超上昇し40%に迫った。【記事提供:ニッキン】

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