資金繰り限界、自己破産を申請 青森国際ホテル


 帝国データバンクによると、「青森国際ホテル」を運営する国際ホテル(青森県青森市、資本金500万円)は5月25日、青森地裁に自己破産を申請した。新型コロナウイルスの影響を受けて全館を休業。7月以降の再開を目指していたが、旧国際ホテルの第2会社といった経緯から融資を受けられる状況になく、もともと財務面が脆弱(ぜいじゃく)だったため資金繰りが限界を迎えた。負債は約16億円。

 同社は、1947年7月設立の旧国際ホテルの金融債務圧縮のため、新設分割スキームで2011年7月に旧国際ホテルをMS商事に商号変更すると同時に、MS商事から分割して営業基盤、従業員との雇用契約を継承して設立されたホテル運営業者。

 青森国際ホテルは、青森市内では高い知名度を誇り、客室総数は67室で、宴会・レストラン部門を主体に事業を展開していた。改装費を投入するなど強化したブライダル部門は、少子化や結婚式に対する意識の多様化から集客は伸び悩んでいた。また、年商規模を超える多額の有利子負債もあって業績は低迷。13年3月期に約9億円あった売り上げも、20年3月期には約7億円まで落ち込んでいた。

 土地と建物は5月20日に病院、福祉施設向け給食事業を主体にホテル、温泉旅館運営を手掛ける地元業者に売却している。再開時期は未定。

 
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