ワクチン接種証明書の活用 入国規制緩和の動き拡大
ワクチン接種証明などに基づき、国際的な往来を再開する動きが欧米、東南アジアなどで徐々に出てきた。日本政府観光局(JNTO)は10月29日に東京都内で記者発表会を開き、訪日旅行を取り巻く動向について解説した。世界の国際観光客、国際線旅客がコロナ禍前の水準に回復するには時間がかかる見通しだが、JNTOでは、インバウンドの再開を見据えて、各国の国際的な往来に関する規制の緩和措置などに注視している。
IATA(国際航空運送協会)が7月に発表した国際線旅客数の回復見通しでは、コロナ禍前の2019年の実績比で、22年に60%を、23年に90%を回復。24年には19年の水準を回復して上回ると予測している。10月の発表では、回復のスピードに地域差が大きいことも指摘。22年には、欧州域内が19年実績比75%、欧州―北米は同65%に回復するが、他の地域では回復が遅れ、特にアジア域内は11%にとどまる見通しだ。
国際観光の再開などについては、世界観光機関(UNWTO)が観光専門家などの委員に9月にヒアリングを実施した。その結果、国際旅行の再開時期は約6割の委員が22年中と回答した。内訳は、21年第4四半期10%▽22年第1四半期7%▽同第2四半期26%▽同第3四半期22%▽同第4四半期7%▽23年27%。コロナ禍前の水準に回復する時期は、22年という回答が11%、23年が43%、24年以降が45%だった。
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