訪日外客数、2016年に1800万人 観光立国推進基本計画案


 観光庁は、改定作業を進めている総合的な観光施策の計画「観光立国推進基本計画」の数値目標案などを固めた。新計画の対象期間は2012〜16年度。16年を期限とする訪日外国人旅行者数の目標には1800万人を掲げた。同じく16年を期限とする日本人の国内旅行の目標には、観光目的の年間宿泊数を1人当たり2.5泊に設定した。計画案に対する一般からの意見募集(パブリックコメント)などの手続きを経て、3月末の閣議決定を目指している。

 基本計画の策定は、観光立国推進基本法に規定されている。設定した目標の実現に向けて政府は総合的に施策を推進する。改定は、国土交通省が設置している交通政策審議会観光分科会(分科会長=平林博・日本国際フォーラム副理事長)に諮りながら進めており、今月8日の会合では複数提示されていた数値目標などが絞り込まれた。

 訪日外国人旅行者数の目標は、政府が新成長戦略に掲げた「20年初めまでに2500万人」の目標を達成することを念頭に、16年までに1800万人と設定した。当初の工程表(ロードマップ)では、16年に2千万人に到達する経過を掲げていたが、震災の影響を考慮して下方修正した。

 日本人の国内宿泊観光旅行の数値目標は2.5泊。基準となる10年の統計上の実績2.12泊に対して0.38泊の上積みでしかないが、過去の推移が減少傾向であることを厳しくとらえた。減少傾向を食い止め、過去5年間(06~10年)の実績である平均2.42泊程度に戻すことを目安にした。

 他の数値目標は、国際会議の開催件数を16年までに10年実績の741件から5割以上増加させてアジア最大の開催国を目指すという案、日本人の海外旅行者数を16年までに2千万人とする案。これら目標を達成した上での日本国内での旅行消費額の目標は、09年実績の25兆5千億円に対し、16年までに30兆円と設定した。

 新しい基本計画ではこのほかに、観光の質を重視し、旅行者の満足度にアンケート調査などに基づく数値目標を設定する。訪日外国人の満足度では「大変満足」を45%程度、「必ず再訪したい」を60%程度。日本人旅行者の国内観光地に対する評価では、「大変満足」「必ず再訪したい」の割合をそれぞれ25%程度にする目標を掲げている。

 新計画を推進する上での基本方針の案には、観光による経済成長や地域活性化などに加え、東日本大震災からの復興への貢献を盛り込んだ。各目標達成に向けて観光庁が主導的な役割を果たすべき施策には、(1)国内外の旅行者に選ばれる魅力ある観光地域づくり(2)オールジャパンの態勢による訪日プロモーション(3)国際会議などMICE分野の国際競争力の強化(4)休暇改革の推進──を掲げている。

 
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