国際観光振興機構(JNTO)が06年度の訪日外国人観光客の訪問先を調べたところ、東京.新宿の訪問率が26.7%となり、3年連続でトップの座を守ったことが分かった。2位の大阪市を5.3ポイント上回っている。JNTOは、「宿泊施設の充実や独特な街の雰囲気に加え、ショッピングの魅力を求めて多くの外国人が訪れるため」と見ている。トップ10を見ると、東京都内では新宿を始め7カ所がランクインしており、知名度の高さを見せつけている。
調査は旅行を終え、出国直前の外国人(滞在期間は2日以上90日以下)1万3891人を対象に、成田や中部、関西など主要8空港と博多港で06年夏から07年冬にかけて3回実施した。韓国がもっとも多く3486人に上り、以下、台湾(2552人)、米国(1746人)、中国(1134人)の順。
04年度から訪問先の1位となっている新宿は約4人に1人が訪れている計算。新宿のあるデパートでは外国人旅行者に対し、割引券の配布による販売促進や、店頭.ホームページでの情報発信、案内体制の強化を図っている。
このほか都内では銀座(15.2%)、渋谷(14.2%)、浅草(12.9%)の人気も高い。知名度が高いと言われる秋葉原だが8.6%、12位と意外に低い結果に。
2位の大阪市(21.4%)、3位の京都市(20.1%)は近畿地方への旅行者が必ず立ち寄る場所という。
主な市場別に見ると、韓国人旅行者は都内、東京周辺、関西のほか「福岡市や別府、阿蘇山、熊本市といった九州の観光地が上位を占める」(JNTO)。台湾人旅行者は大阪市と新宿の訪問率が同率(22.1%)に。また、東北や北陸の伸びが著しく、定山渓や小樽といった北海道の観光地もランキング上位にあがっている。
中国人の旅先は、大阪市(40.4%)や京都市(30.2%)が非常に高い半面、箱根や富士山を見るゴールデンルートも人気。米国人は都内や京都市、大阪市、名古屋市といった大都市、産業都市に加えて、広島市や奈良市、鎌倉市などの日本の伝統文化を鑑賞できる観光地が上位を占める。
性別では、男女ともに1位新宿、2位大阪市、3位京都市だが、男性では秋葉原、女性では東京ディズニーリゾート(TDR)の人気が高い。