
日本政府観光局(JNTO)が24日に発表した今年4月の訪日外客数は78万1千人で、東日本大震災、原発事故の発生前の2010年の同じ月と比べると、減少率はわずかに0.9%減に縮まった。全体数ではほぼ震災前の水準に回復した。一方で韓国、フランス、カナダは前々年同月比で依然として2ケタの減少。放射能汚染への不安などが解消されていないほか、円高などがマイナス要因となった。
今年に入ってからの前々年同月との比較は、1月が6.9%増、2月が17.6%減、3月が4.4%減。1月がプラスなのは、東アジアが旅行シーズンを迎える旧正月の該当月の移動が要因だが、震災の影響は月ごとに着実に回復している。1〜4月累計では前々年同期比4.0%減の269万2千人となった。
4月の外客数を市場別にみると、台湾が前々年同月比26.5%増の13万9千人と2ケタの伸びを示したほか、タイが同10.8%増の4万1千人で過去最高を記録した。中国は同0.8%減の15万人、香港は同5.1%減の4万4千人、米国は同3.9%減の6万4千人だった。一方で韓国が同19.6%減の15万3千人、フランスが同16.9%減の1万5千人、カナダが同11.9%減の1万4千人と落ち込みが大きかった。
台湾の増加要因は、日台のオープンスカイ(航空自由化)の合意に伴う新規路線の就航や増便の効果、それに伴う訪日旅行の宣伝効果などとみられる。中国の客数はマイナスではあるが、過去最高を記録した10年4月の数値にせまるもので、観桜ツアーなどが訪日需要の喚起につながったとみられている。
韓国の回復が遅い要因には、地震予測に関する報道や放射能汚染への不安、ウォンに対する円の高止まりなどが挙げられる。
また、需要の回復が顕著な台湾に関しても、JNTOは「東北地方への客足は依然として厳しく、首都圏への団体旅行も敬遠ムードが続いている」と指摘。訪問先別にみれば、訪日需要の回復が遅い地域もあるのが現状だ。
4月の訪日外客数について観光庁の井手憲文長官は、24日の定例会見で「前々年に近い数字まで回復してきたが、楽観はしていない。最大の訪日市場である韓国の数字が戻らず、ヨーロッパも厳しい」と述べた。主要な市場に対し商談会などを通じたプロモーションを強化するほか、韓国については、東京スカイツリーなどの観光素材も生かしつつ需要の回復に努める考えを示した。
出国日本人数は 過去最高を記録
4月の出国日本人数は前年同月比25.1%増の139万5千人だった。4月単月では過去最高を記録した。前年同月に対しては昨年7月以降、10カ月連続のプラスとなった。2010年4月との比較では15.0%の増加だった。
