観光関係26団体で成る観光関係団体懇談会(幹事・日本観光協会)が主催する新年賀詞交換会が7日、東京のグランドプリンスホテル赤坂で開かれた。4日付で観光庁長官に就任した溝畑宏氏も出席し、「観光立国にとどまらず、観光大国を目指したい」と抱負を述べた。消費不況と言われる中、「今年は厳しい1年になりそうだ」との見方を示す業界関係者が少なくなかった。
賀詞交には国会議員、観光庁幹部、団体トップら約200人が出席。
主催者を代表してあいさつした中村徹日観協会長は、「(観光を取り巻く)環境は厳しいが、新しい時代を切り開いていく勇気を持って積極的にことに当たらなければならない」と強調。また、国際観光では相互交流の必要性を重ねて指摘し、「特に市民レベルの交流が重要だ」と述べた。
国内観光については草の根レベルで地道に観光地づくりを行っている動きがあることを踏まえ、「こうした動きを観光業界はサポートし、活動が実を結ぶよう力を入れるべきだ」と呼びかけた。
溝畑長官は「本保前長官に(観光立国への)課題を整理していただいた。これをスピーディーに実行に移す」と述べ、スピード、フットワーク、ネットワークを今年の観光庁のテーマに掲げたことを明らかにした。また「観光に限らず、文化、スポーツ、映画、アニメ、ファッション、食、芸能など散らばっている黄金のジャパンコンテンツを呼び起こして、(日本の)国力を再生する気持ちで皆さんと取り組みたい」とした。
乾杯の音頭は大塚陸毅・日本ナショナルトラスト会長(日本経団連観光委員長)。大塚会長は、「昨年同様、今年も(先行き)楽観できる年ではないが、観光業界はこの閉塞状況を打破する気構えで臨み、トラのように走りまくっていただきたい」と述べ、経済活性のけん引役を担う動きを期待した。
乾杯の音頭で規制を上げる団体トップら