観光の力で東北を復興させ、同時に全国的な観光の活性化につなげようと、東京・永田町の憲政記念館で4月21日、「東北復興支援の集い」(日本観光振興協会主催)が開かれた。観光業者や東北各県の代表者ら約600人が参加、1日も早い復興に向け、宣言を発表するとともに、拳を掲げ「がんばろう」三唱を行った。
冒頭、振興協会の西田厚聰会長は支援の一環として、今年の通常総会を仙台市で開くことを報告し、「東北の美しい自然、歴史ある文化を再び多くの観光客に楽しんでもらえるよう、全力で支援する」と述べた。
席に座りきれず、立ち見の参加者も。溝畑宏・観光庁長官や二階俊博・全国旅行業協会会長(元経済産業相)のほか、俳優の辰巳琢郎さんや矢内廣・ぴあ社長ら観光政策顧問会議のメンバーも出席。二階氏は大津波の被害が甚大だったことから「津波対策基本法案」の国会提出や「津波の日」の制定に力を尽くすことを約束した。
東北地域からは三村申吾・青森県知事や吉村美栄子・山形県知事らが出席した。三村知事は、23日から青森デスティネーションキャンペーンが始まることを挙げ「まず(復興へ向けた)第1歩を進めていきたい」と述べ、吉村知事は過度な委縮はマイナスと指摘し、東北への来訪を呼びかけた。
旅館の女将を代表してあいさつしたホテル松島大観荘(宮城県松島町)の磯田悠子さんは「ぜひ東北に足を運んでほしい。笑顔でお迎えします」と述べた。
集いではまた、(1)地域の観光復活のため一丸となって支援する(2)風評被害や自粛ムードを払しょくし、困難を乗り越えていく(3)観光活性化のためスクラムを組んで強力に取り組む──とする3項目から成る「宣言」を発表した。
支援の集いで気勢を上げる観光関係者ら=4月21日、憲政記念館