観光業界、エコポイントの交換商品に名乗り


 省エネ家電の購入を促す「エコポイント」制度。ポイントと交換できる商品の提供事業者として、観光関連業界から旅行会社はじめ、航空、鉄道各社が名乗りをあげていることが本社の調べで分かった。19日にも政府が正式決定する見込み。各社は観光関係環境保全活動への寄付を盛り込んだ旅行券やCO2排出量の少ない公共交通機関の乗車券などを交換商品として申請した。エコポイントをきっかけに、旅行に出る人の需要を取り込みたいとの考えがあるようだ。

 旅行会社のうちJTB、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行、トップツアーの大手4社が11日までに商品提供事業者に手を挙げた。このうちKNTとトップツアーは、それぞれ発行している旅行券を交換商品に申請。額面の一部を環境保全活動に寄付する。「エコポイントを使って旅行に出てもらえば、地域経済へもプラスになる」とKNT。JTBも自社の旅行商品券、ギフト券と交換する考えだ。

 鉄道会社では、JR東日本以外のJR5社が商品提供事業者に申請。JR四国は、管内の特急、普通電車の自由席が3日間乗り放題となるパスを交換専用商品として用意する考え。大人8千ポイント、こども4千ポイントで交換予定。「鉄道は環境にやさしいうえ、3日乗ってもらえれば、周辺の観光・宿泊施設での消費拡大にもつながる。新型インフルエンザや景気低迷による利用客減の歯止めともなれば」とJR四国。このほかJR東海、JR西日本、JR九州は、各社が発行するICカードやプリペイドカードを、JR北海道は同社が発行する旅行券を交換商品とする予定。

 航空会社では、ANA、JALが自社グループの旅行券を交換商品とした。このうちANAは、額面1千円、1万円の旅行券を申請。5千円分から1千円単位で交換する。

 交換商品は、(1)全国で使える商品券、プリペイドカードで、なおかつ提供事業者が環境寄付を行うなど環境配慮型のもの(2)地域・中小企業による商品券(3)地域産品(4)省エネ、環境配慮に優れた商品──のいずれか。

 今回の事業者申請期間は10日程度と短かったが、観光関連の各社は従来から旅行券などを発行しており、条件に合った交換商品を用意できたようだ。

 商品提供については、「事業制度の内容自体を確認している段階」(JR東日本)と、参画に慎重な事業者もある。しかし、価格.comの夏のボーナスに関する消費者調査によれば、ボーナスでの購入が検討されている商品では、「液晶テレビ」が前年比4.3%増の17.5%と最も多い。エアコン、冷蔵庫も前年より1ポイント以上伸びており、エコポイント対象商品の購入意欲は高く、制度の浸透が見込める。

 事業者の募集は今後も定期的に行う。今回のエコポイント交換商品の決定などで、制度の本格的運用が始まれば、交換事業者への応募を考える観光関連事業者は増えそうだ。

◎エコポイント事業
 省エネ基準を満たしたエアコン、冷蔵庫、地上デジタル放送対応テレビの購入に対しエコポイントを付与。そのエコポイントで指定の商品を買えるようにすることで、エコ家電購入を促進するもの。地上デジタル対応テレビ37V型の購入には、1万7千点のエコポイントを、買い替えの場合はさらに3千ポイントを付ける。

 7月1日からは、貯まったポイントの登録と商品交換の申請を受け付ける。ポイントの登録は来年4月まで、商品との交換は2012年3月末までの予定。

 
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