観光庁 持続可能な観光 10地域でモデル事業


JSTS-Dを活用

 観光庁は、2023年度「持続可能な観光推進モデル事業」の実施先として、オーバーツーリズムの課題解決に向けた北海道美瑛町の取り組みなど10地域・団体を選定した。観光庁が国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所と共に開発した指針「日本版持続可能な観光ガイドライン」(JSTS―D)などを活用し、持続可能な観光地域づくりの好事例を創出する。

 持続可能な観光の推進は、訪日インバウンドが急回復する中、オーバーツーリズムの未然防止をはじめ、地域の自然や文化、産業の保全・活用に向けて、観光関係者が一体となって取り組むべき重要な課題となっている。観光を通じた地域の持続可能性の向上、責任ある旅行者(レスポンシブル・トラベラー)につなげるマナー啓発など、サステナブルツーリズムへの関心は世界的に高まっている。

 モデル事業では、自治体、DMOなどが持続可能な観光地マネジメントに関する体制を確立することを目的に、採択した地域・団体に専門家を派遣して支援するほか、JSTS―Dの指標に基づく実証事業を実施する。また、持続可能な観光の推進に関する人材育成を支援する。

 JSTS―Dは、自治体やDMOが調査、把握する数値などのエビデンス(証拠資料)に基づいて、持続可能な観光地マネジメントを行うための観光指標。国際的な基準「GSTC―D」に準拠している。指標は、観光客数などの経済的な側面だけではなく、観光地経営への住民の意見反映、地域の自然や文化的資源の保護など、経済、文化、環境、住民など広範な分野に及んでいる。

 観光庁の23年度モデル事業に採択された取り組み(申請団体、事業名、主な実施地域)は次の通り。

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