
観光庁は、訪日旅行者数が年間100万人を突破したASEAN(東南アジア諸国連合)6カ国の昨年の市場動向を「訪日外国人消費動向調査」を基に分析した。シンガポールとタイは観光・レジャー客の比率が約6割に上り、ベトナムとマレーシアは初来日の割合が約5割と高いことなどが分かった。
観光・レジャー客の比率はシンガポールが65%、タイが56%と高い。ビジネス客の比率は、ベトナムが67%、インドネシアが61%と高い。マレーシアはビジネス客が46%、観光・レジャー客が44%とほぼ半々。フィリピンは親族・知人訪問が21%と他より高い。
初めての来日だった旅行者の比率は、ベトナムが50%、マレーシアが48%、インドネシアが45%、タイが39%、フィリピンが32%、シンガポールが30%だった。
昨年7月に訪日旅行の査証(ビザ)が免除されたタイ、マレーシアの客層の変化を分析。昨年7〜12月期と前年の同期を比較した。
ビザ免除に伴いタイは、観光・レジャー客の比率が41%から65%に上昇。訪日回数別では「2〜4回目」の人数が増え、リピーターが増加した。
マレーシアも観光・レジャー客の比率が29%から50%に上昇。一方の訪日回数別では、「1回目」が増え、初めて来日した旅行者の人数が増加した。
昨年の日本国内での旅行消費額(パッケージツアーの宿泊費なども含む、航空運賃などは含まない)では、タイが前年比73.7%増の576億円、シンガポールが同68.4%増の311億円などと増加。旅行消費額の大きさでタイは、中国、台湾、韓国、米国、香港に次ぐ6番目の市場となった。
日本政府観光局(JNTO)によると、昨年の訪日旅行者数は、タイが45万3642人、シンガポールが18万9280人、マレーシアが17万6521人、インドネシアが13万6797人、フィリピンが10万8351人、ベトナムが8万4469人。6カ国の合計で114万9060人だった。
